2019.12.06
『クローバーフィールド』あらすじ
N.Y.のとあるアパートで、日本への転勤が決まった青年ロブの送別パーティが開かれる。ところが突如、正体不明の“何か”が出現して自由の女神を破壊。街は逃げまどう人々でパニックと化し、軍隊も出動して戦闘状態に突入する。恋人から助けを求める電話を受けたロブは、友人たちとともに彼女の救出に向かうのだが……。
Index
不安を煽った宣伝展開
ニューヨークに突然現れる正体不明の「何か」に襲われる人々の壮絶な一夜を、フェイクドキュメンタリーの手法で描いた本作『クローバーフィールド』(08)はアメリカで大ヒットを記録、3ヶ月遅れで公開した日本でも興行収入12億円と好成績を残した。
タイトルもストーリーも説明せずに不安感をあおることだけに特化した予告編や、頭部を失った自由の女神をメインジュアルにしたタイトルの無いポスター、裏設定に関わる事件を報道した偽のニュース番組のYouTube放送など、インターネットを活用した極めて現代的なアプローチをとった。映画の中身が露出し過ぎないように周到にコントロールし、戦略的なPRを展開したことがヒットに大きく寄与したと言われている。
『クローバーフィールド』 (C) 2008 by PARAMOUNT PICTURES. All Rights Reserved.TM, (R) & Copyright (C) 2013 by Paramount Pictures. All Rights Reserved.
要は本作は「ドキュメンタリーの手法をとったモンスターパニック映画」である。いくら宣伝が効果を上げたとはいえ、内容だけを聞けば見る人を選び、大ヒットにはなかなか結びつかなさそうだが、なぜそこまでの成果を上げることができたのだろうか。