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『シンクロナイズドモンスター』でたどる怪獣映画の真意とは? 「怪獣」って何か説明できる!?
2017.11.09
『シンクロナイズドモンスター』あらすじ
憧れのニューヨークで働いていたグロリア(アン・ハサウェイ)だったが、失業してからというもの毎晩酒に酔って暴走し、ついには同棲中の彼氏ティム(ダン・スティーヴンス)に家を追い出されてしまう。 家も仕事も彼氏も失ったグロリアが向かったのは、生まれ故郷の小さな田舎町。 そこでばったり再会した幼馴染のオスカー(ジェイソン・サダイキス)に誘われ、グロリアはオスカーが営むバーで働くことになる。グロリアが新生活への一歩を踏み出す中、衝撃のニュースが世界を駆け巡る。 韓国のソウルで突如巨大な怪獣が現れたというのだ。 テレビに映し出された衝撃映像に皆が騒然とする中、ただひとりグロリアはある異変に気付く。 「この怪獣、私と全く同じ動きをする…?!」舞い上がったグロリアは、怪獣を操り世界をさらなる混乱へと陥れるが、そこに「新たなる存在」が立ちはだかる―!
Index
そもそも「怪獣」とは一体何か?
『シンクロナイズドモンスター』はヘンテコな映画ではあるが、立派な怪獣映画と言える。そして非常に「新しい」怪獣映画と言って差し支えないだろう。これは新世代の怪獣映画である。それはどういう意味か。説明するにはまず、伝統的な怪獣映画とはどんなものか、怪獣とは何なのかを掘り下げてみたい。
怪獣映画とは勿論、怪獣が出てくる映画のことだ。では怪獣とは何か?怪獣とは「正体の知れない不思議な動物」のことだそうだ。出典:goo辞書( https://dictionary.goo.ne.jp/jn/36066/meaning/m0u/)
では、そんな「動物」が映っていれば、それ即ち怪獣映画と言えるのだろうか?筆者が思うに、怖い怪獣が出てこなければ、それは怪獣映画とは言えない。怪獣は怖くなければならない。怪獣というのは人間の原罪を伴って現れ、人間を怖がらせねばならない。怪獣は人間の「罪」の象徴であり、人間への「罰」としてやって来なければならないのだ。それに対して人間たちが必死に抵抗するからこそ、我々観客は怪獣映画に感動させられるのである。
『シンクロナイズドモンスター』(c)2016 COLOSSAL MOVIE PRODUCTIONS, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.
人間たちは怪獣と向き合って、自分たちの「罪」を思い知り、反省し、今度はそれを倒す存在となるべく自己を高めていく。そして最後には怪獣に打ち勝つのだ。そうでなければ人間に成長が無い。「怪獣映画」とは、「人間が怪獣と戦い、怪獣から学ぶ映画」でなければならないのだ。