2019.09.25
『アメリカン・グラフィティ』あらすじ
高校を卒業し、翌日には都会の大学へ旅立つことになっているカート(リチャード・ドレイファス)とスティーブン(ロン・ハワード)は、高校生活最後の夜を思いっきり楽しもうと、いつものたまり場にやってくる。そこには、仲間のテリー(チャールズ・マーティン・スミス)や、走り屋ジョン・ミルナー(ポール・ル・マット)も集まってきていた。奨学金をもらい、大人の期待を背負って進学するカートは、大学に行かずこのまま街に残ろうかと悩み、一方でスティーブは、早く田舎を離れて都会に行き、大学生活をエンジョイしたいと考えていた。彼らは、それぞれ様々な思いを胸に街へ繰り出していくが、夜が更けていくにつれ、その思いも少しづつ変化していくのだった・・・。
製作過程では苦難の連続だった映画が、歴史に残る傑作として語り継がれることになる。ハリウッドではよくある話だ。しかし、『アメリカン・グラフィティ』(73)ほどドラマティックな経緯を辿った作品はそう多くない。
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『THX 1138』で挫けたルーカスが過去へと時間を巻き戻す
事の始まりは、ジョージ・ルーカスが監督デビュー作『THX 1138』(71)を製作中だった頃。いち早くルーカスの才能を見抜いたフランシス・フォード・コッポラは、より大衆受けする話をルーカスに執筆するよう提案する。ルーカスは喜んで提案を受けいれた。なぜなら、人々がコンピューター管理下で暮らす25世紀の社会を描いた『THX 1138』は、監督にとってあまりにリアル過ぎて、製作中、常にフラストレーションを溜め込んでいたからだ。
『アメリカン・グラフィティ』予告
そこで、ルーカスは時間を逆方向へ巻き戻し、幸せだった青春時代を振り返りつつ、1編の群像劇を発案する。それが、1962年のカリフォルニア州モデストを舞台にした『アメリカン・グラフィティ』だ。