2019.09.25
出資を躊躇したハリウッド・メジャー
ルーカスは、南カリフォルニア大学の同窓生で、後に『スター・ウォーズ』(77)の脚本を手伝うことになるウィラード・ハイクと、彼の妻、グロリア・カッツを共同脚本家として招き入れる一方で、『スター・ウォーズ』以降も長くルーカスとコラボすることになるプロデューサーのゲイリー・カーツと共に、ハリウッド・メジャーを行脚。資金調達先を探すが、ことごとく断られる。各社共、劇中に使用される楽曲の利用許諾料だけで、製作費は底を突くと踏んだからだ。
『アメリカン・グラフィティ』(C) 1973 Universal Studios. All Rights Reserved.
ルーカスがたった3週間で書き上げた第1稿は、彼が所有する膨大なヴィンテージ・レコードのコレクションから、それぞれの曲にインスパイアされたエピソードを繋げたもの。その数は75曲に上った。結果、当初出資を申し出たユナイテッド・アーティスツが、まずドロップアウト。
また、ユナイトは作品を"キャラクター不在の音楽モンタージュ"と評して、難色を示す一方、愚かにも、ルーカスから聞かされていたもう1本のスペースオペラ(言うまでもなく『スター・ウォーズ』)への出資も断念してしまう。