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『スプリングスティーン 孤独のハイウェイ』ジェレミー・アレン・ホワイト 本人の惜しみない協力でカリスマの若い時代を全霊で体現【Actor’s Interview Vol.50】
1970年代のアル・パチーノの演技がひとつの指針
Q:人間としてブルース・スプリングスティーンから学んだこともあったようですね。
ホワイト:何十年もの間、成功者としての地位を続け、あれだけ有名にもかかわらず、ブルースは周囲に対してとにかく優しいんです。しかも70代なのに、まだステージで何時間もパフォーマンスができる。その性格と信念を、ただただ尊敬してしまいます。
Q:本作の撮影監督は日本人のマサノブ・タカヤナギが務めています。どんなカメラマンでしたか?
ホワイト:マサは(本作の)スコット・クーパー監督作品の常連なので、複雑なアプローチにも的確に応じていました。スコットの作品では手持ちカメラがあまり使われないのですが、今回は手持ちを多用していましたね。その結果、俳優とカメラマンが呼吸を合わせてダンスをする感覚になるんです。僕とマサは、言葉を交わさずにお互いの意図を通じ合わせて撮影しました。彼のカメラマンの才能には敬服したので、またどこかで一緒に仕事をしたいです。

『スプリングスティーン 孤独のハイウェイ』©2025 20th Century Studios. All Rights Reserved.
Q:大物ミュージシャンを演じるとアカデミー賞などに絡む可能性が高くなります。あなたもノミネートや受賞を密かに期待していますか?
ホワイト:たしかに授賞式に出席するのは、いい気分です(笑)。心から尊敬するアーティストと同じ空間を共有するわけですから。そして賞によって注目されることで、今後のキャリアにおいて選択肢が確実に増えます。新たな扉を開けることができるんです。ただ自分から賞を追いかけることはできません。「一流シェフのファミリーレストラン」も最初は賞に絡むなんてまったく想像していませんでした。しかし結果的に才能あるクリエイターのおかげで高い評価を受けたわけで、僕はその幸運を分けてもらっているのです。
Q:では最後に、あなたの指針になっている俳優が誰なのか教えてください。
ホワイト:『哀しみの街かど』(71)のアル・パチーノや『ミーン・ストリート』(73)のロバート・デ・ニーロでしょうか。あの時代の彼らの演技は、若い世代の俳優にとってひとつの指針になっているはずです。特に前者のボビーという役では、カリスマ性に満ち、予測不能の演技をしており、まるでロックスターのようでした。この映画でパチーノに憧れ、出演作は全部観ましたね。
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ジェレミー・アレン・ホワイト
1991年2月17日生まれ、アメリカ・ニューヨーク・ブルックリン出身。テレビシリーズを中心に活躍。大ヒットドラマシリーズ「シェイムレス 俺たちに恥はない」(2011~21)で演じたリップ・ギャラガー役で注目を集める。さらに「一流シェフのファミリーレストラン」(ディズニー+)でゴールデングローブ賞テレビ部門主演男優賞(ミュージカル・コメディ部門)を3年連続、エミー賞主演男優賞(コメディ・シリーズ部門)を2年連続受賞、同賞で4年連続主演男優賞ノミネートの快挙を成し遂げた全世界が最も注目する俳優のひとり。『スプリングスティーン 孤独のハイウェイ』では、ギター、ハーモニカ、歌唱トレーニングを続け、若き日のスプリングスティーンを体現している。主な映画出演作に、『アフタースクール』(08)、『アフター・エブリシング』(18)、『サイコハウス 血を誘う家』(20)、『フィンガーネイルズ』(23)、『アイアンクロー』(23)、『フォーチュンクッキー』(25)などがある。
取材・文:斉藤博昭
1997年にフリーとなり、映画誌、劇場パンフレット、映画サイトなどさまざまな媒体に映画レビュー、インタビュー記事を寄稿。Yahoo!ニュースでコラムを随時更新中。クリティックス・チョイス・アワードに投票する同協会(CCA)会員。
『スプリングスティーン 孤独のハイウェイ』
11月14日(金)劇場公開
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
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