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『ドランクヌードル』ルシオ・カストロ監督 虚構=フィクションの力を信じてみる【Director’s Interview Vol.545】
キャスティング
Q:アドナン役のレイス・カリフェさんは今回映画に初めて出演したそうですが、彼を始め、キャスティングはどのように進めていったのでしょうか。
カストロ:この映画を作るうえでは、まずロケーション探しからスタートし、撮影したい場所を見つけていきました。次にキャスティングをし、最後に脚本に着手しました。だからこの映画のキャラクターは、ほぼ俳優たちへの当て書きに近い形で作り上げられています。
キャスティングは、Backstageというプラットフォームを使って探しました。応募者の中でアドナン役のレイス・カリフェが気に入ったのは、彼には何か謎めいたところがあって、どれだけ親しくなっても彼の全部を理解できない、そんな雰囲気を感じたからです。物語の主人公にはそういう側面があることが大事だし、カメラもまた、ミステリアスな部分を持っている人に自然と惹かれていく気がします。撮影を通してレイスとは仲の良い友人になりましたが、私はいまだに彼のことを100%理解できていません。とても謎の多い人なのです。

『ドランクヌードル』© 2025 Lucio Castro Inc.
Q:サル役のエズリエル・コーネルさんは脳神経外科医とのことですが…。
カストロ:そのとおり、彼は脳神経外科医と俳優を兼業しているんです(笑)。数年前から演技を始めたそうで、プラットフォームにこの映画の企画概要と募集要項を載せたところ、すぐに連絡してくれました。エズリエル自身はゲイではなくストレートなんですが、俳優として、ゲイとして長年生きてきたサルという役を見事に演じてくれました。
Q:監督自身もファッションデザイナーというもうひとつのキャリアをお持ちだそうですが、今もデザイナーと監督業を兼業しながら活動されているのでしょうか。
カストロ:ファッションデザイナーとしての仕事は、一応2018年に引退しています。私はアルゼンチンからニューヨークへ移住し、上海にも10年近く暮らしたりと、これまで約20年近くファッションに携わってきましたが、昔から映画を作りたいという気持ちをずっと持っていたし、自分のメインとなる仕事は映画だと決めていました。今はファッションの仕事からは手を引き、学校で映画を教えながら、自分の作品を作ることに集中しています。