©ATELIER DE PRODUCTION - AGAT FILMS & CIE - ARTE France CinNa
『イート・ザ・ナイト』キャロリーヌ・ポギ監督 & ジョナタン・ビネル監督 現実の延長としての仮想世界を描く【Director’s Interview Vol.551】
3Dキャラクターに宿る感情
Q:アポのアバターである無機質なCGの人形から、なぜかとても強い感情が伝わってきました。
ビネル:3Dキャラクターで感動を生み出すというのも大きな課題でした。ゲームを知っている人だけのための映画にはせず、アバターの感情を強調することに注意を払いました。これは私たちにとって最も難しく、最も時間のかかる作業でした。アポリーヌの細かな感情をすべて再現し、ビデオゲームの音もすべて作り直しました。完全な没入感を生み出し、この喪失感や別れの恐怖を感じられるようにしたかった。重要なのはアポリーヌの目を通して、彼女がこの喪失と別れの恐怖に直面していることを表現することでした。それこそがこの映画で私たちが最も気を配った部分です。
Q:登場人物たち、特にアポリーヌの心象風景がゲームの中で驚くほど繊細に描かれています。この描写の完成度は最初から想定されていたのでしょうか?
ポギ:作るのに非常に長い時間がかかりましたし、結果にはすごく満足しています。映画の中のゲーム画面は実際には15分しか出てきませんが、ほぼ1年にわたり作業しました。スタッフには一緒に仕事をしている若い友人たちで固めましたが、3Dゲームを作ることは全員にとって初めてのことであり、大きな挑戦でした。
今日こうした映像を作るのはとても大変です。というのも、数百万ドルをかけたAAA(トリプルA)タイトルのような高度なゲームの素晴らしいリファレンスがたくさんあり、私たちの求められる基準も高くなっているから。そうしたリファレンスに必ずしも到達するわけではなくても、できる限りそれに近づけることが目標でした。救いだったのは、物語の中でこのゲームが11年前のものだという設定だったため、古いゲームだからということで少し融通が利く余地があったこと。最初はどこに向かっているのか分からないくらいの状態だったので、完成してとても満足しています。
ビネル:実写部分を編集している間はゲーム映像がまだ完成しておらず、これらの映像がない状態で編集を進めていました。その映像が届くのが待ち遠しかったですし、映画の中でどのような機能を果たすべきか正確にわかっていたからこそ、自分たちが望むものにできる限り近づけるように、辛抱強くゲーム映像を待っていました。ゲーム映像は当初の予定より1年半ほど遅れてようやく届きました。そのため、編集は本当に大変でしたね。例えば、ゲームの終わりの部分は編集段階では全く存在しておらず、その映像が届くまでは、どうやって映画を終わらせるかわからなかったのです。本当に最後の最後でやっと届いたという形でした。

『イート・ザ・ナイト』©ATELIER DE PRODUCTION - AGAT FILMS & CIE - ARTE France CinNa
Q:劇中のゲーム『ダークヌーン』はオリジナルで作られたそうですが、実際に遊べるゲームとして構築したのでしょうか?
ポギ:よく聞かれる質問です(笑)。すべて私たちが作成しましたが、プレイできるゲームではありません。実際にはアニメーション映画のように制作しています。プレイできるものにするには、別の脚本や予算、専門技術が必要になりますからね。そのため、脚本と編集で必要なものだけを正確に作り上げ、範囲を限定しました。ただ、映画の冒頭にある、アポリーヌがゲームで気に入っていた瞬間を集めたベスト版のようなシーンだけは、ジョナタンとゲームの責任者であるルシアンが実際にプレイした画面を録画したものになっています。
Q:実写で撮るには物理的・予算的に難しい映画的なダイナミズムを、ゲーム画面の中に込めた部分はありましたか。
ビネル:もちろんありました。特に映画終盤に出てくる、私たちが求めていた非常にエピックなシーンがそれにあたります。サーバー終了のカウントダウンが響く中、世界の終わりのように死体が降ってくるシーンは、映画の構造を成す重要なイメージであり、ファンタジーのようなものでした。ただ、そこで面白かったのは、非常にスペクタクルなものが必ずしも一番時間がかかるわけではないということ。この「死体の雨」は意外と簡単にできましたが、逆に一番難しかったのは、切り返しショットで適切な光を見つけることや、天候が変わってしまう中で繋がりを保つことなどでした。Unreal Engineというビデオゲーム用ソフトウェアを使っていたのですが、映画におけるカット割りや切り返しの厳密さは、ゲームツールのそれとは異なります。ゲームのツールを映画制作のために転用することが、最も難しかったですね。