ズルをしてでも、描きたかったシーン
Q:ラブストーリーやアクションなど、多様なジャンルの魅力が詰め込まれている作品でした。どのようなバランス感を意識されていたのでしょうか。
八木:「八王子Short Film映画祭」は結婚式場がスポンサーなので、愛や出会い、結婚がテーマの企画募集でした。そこで、元々やりたかった『ファイナル・デスティネーション』のようなアプローチを目指しつつ、恋愛の要素も取り入れていきました。様々な運命がある中で、結果として恋愛の要素が色濃く表れた作品になりましたね。冒頭の前田旺志郎さんと坂ノ上茜さんの物語は、本筋とは少し異なる形の運命を描きたいと考えて作ったので、多様なジャンルが含まれているように見えるのかもしれません。
Q:前田旺志郎さん演じるナミキが、恋を叶えるために努力しているシーンは「頑張れ!」と応援したくなりました。最後のシーンは、観客へのご褒美のようにも感じました。
八木:コツコツ積み重ねる形の運命もあると思っていて、それが前田旺志郎くんや坂ノ上茜さんのような、もうひとつのエピソードとして表現できればと思って描いていきました。ベンチプレスを頑張っているシーンは、観ていただいた方から「さすがにあんな棒だけでしんどくはないだろ!」とツッコミを入れられました(笑)。
最後のシーンは、実はちょっとしたズルをしてまして…(笑)。脚本の段階から「最後に“締め”があってもいいかもしれない」と構想を練っていたのですが、「八王子Short Film映画祭」の規定が22分以内で、尺の都合上本編に組み込めなかったんです。エンドロール以降であれば規定に引っかからないということだったので、今の“おまけ”のような構成になりました。
Q:自分のこれまでの出会いも「運命代行屋に仕組まれていたのでは…」と思えるような楽しさがありました。この映画をきっかけに、本物の「運命代行屋」が生まれるかもしれませんね。
八木:「別れさせ屋」という職業はあるようですが、この映画のように「出会わせ屋」という職業が実在してもいいような気がしますよね。訴えられるようなことがなければ、僕としては嬉しいです(笑)。