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『プライベート・ケース』レベッカ・ズロトヴスキ監督 フランス映画の作家主義を受け入れたジョディ・フォスター【Director’s Interview Vol.577】

『プライベート・ケース』レベッカ・ズロトヴスキ監督 フランス映画の作家主義を受け入れたジョディ・フォスター【Director’s Interview Vol.577】

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準備期間こそが最もエキサイティングな時間



Q:ある程度事前の準備で固めておいて、現場ではスピード優先でやっていく。それは普段からのスタイルなのでしょうか。


ズロトヴスキ:そこは予算の問題が大きいのですが、でも私はそのスタイルが好きなのだと思います。世代的に35ミリフィルムでの撮影をギリギリ経験していることもあり、無駄を省くことには慣れています。撮影日数が少なく自由度が低い中では、求められているスピードを俳優たちもしっかりと感じ取ってくれています。


事前の準備に関しては、私の執着的な性格ゆえの喜びもあるかもしれません。映画監督という仕事はまさに執着が求められるもの。私にとっては映画の準備期間こそが最もエキサイティングな時間なのです。なぜなら、その段階で「どう表現するか」というあらゆる問いに答えを出さねばならないから。


一方で、私は『アデル、ブルーは熱い色』(13)のアブデラティフ・ケシシュのような監督を非常に尊敬しています。彼は撮影現場で予期せぬことを受け入れ、シーンを長回しで延々と引き伸ばし、俳優たちに高い要求を突きつけることができる。ですが、私は俳優たちにそうした要求はしません。私には、一種の礼儀として、あるいは学校の“優等生”のように、自分が求めるものをあらかじめ頭の中で完全に明確にしておき、それを現場で的確に引き出すというアプローチが必要なのです。もしかしたらそのやり方は間違っているのかもしれません。自分のスタイルについては常に考え続けていますね。



『プライベート・ケース』©LES FILMS VELVET ‐ BUENOS HAIR ‐ FRANCE 3 CINEMA


Q:事前に準備をして臨んでいても、現場では予期せぬことが多々起こるのではないでしょうか。


ズロトヴスキ:ご指摘のとおり、現場では予期せぬことも起こりますが、それはむしろ良いことです。それは準備不足とは違います。よく準備されていればこそ、予期せぬことを受け入れることができる。私には20年来一緒に仕事をしている仕事の早い撮影監督がいて、私にアイデアが浮かんだ時、それを実行する自由を与えてくれます。私はカット割りに関しては厳格ではなく、いつも当日に決めています。天候やシーンの状況に左右されるため、事前に決めることはできないのです。ただし、そうやって常に変更に対応できるようにしつつも、演出のアイデア自体は最初から自分の中に持つようにしています。




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