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『プライベート・ケース』レベッカ・ズロトヴスキ監督 フランス映画の作家主義を受け入れたジョディ・フォスター【Director’s Interview Vol.577】

『プライベート・ケース』レベッカ・ズロトヴスキ監督 フランス映画の作家主義を受け入れたジョディ・フォスター【Director’s Interview Vol.577】

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原題『Vie privée』に込められた言葉遊び



Q:若いフィルムメイカーが映画監督にアドバイスを求めると、「最も私的なことを映画にしなさい」といった答えが返ってくることがあります。その意味において、この映画の原題『Vie privée(私生活/プライベート・ケース)』というタイトルはとても興味深いです。


ズロトヴスキ:私は「私生活」と「秘密の生活」の2つを区別しています。それは同じではありません。映画が投げかける問いというのは、「何が猥褻か(見せるべきではないか)」「何を撮影する権利がないのか」ということだと思います。この言葉は、私たちの最も深く埋もれた秘密の欲望を覆い隠すと同時に、撮影することが不可能なものでもあります。


最もプライベートで親密なものは、最も私たちを一つに結びつけるものでもあります。あるキャラクターの私生活の中に素材を探しに行くということは、同時にすべての人に語りかけるというリスクを冒すことでもあります。


そして、このタイトルにはもう一つ別の意味があります。フランス語の言葉遊びですが、「vie privée(私生活)」は「privé de vie(命を奪われた)」とも言えます。つまり、「vie privée」は奪い取られた命、消し去られた命を意味することもあるのです。私はこの言葉をめぐるスリラーの曖昧さが気に入りました。


ルイ・マル監督が『私生活(Vie privée)』という映画を撮っています。私も大好きな映画でこのタイトルは長い間私の心の中に宿っていました。映画監督というのは、私生活のエキサイトメントを語り、その鍵穴の扉を開けて観客にアクセスを与えなければならないと感じていたのです。



『プライベート・ケース』©LES FILMS VELVET ‐ BUENOS HAIR ‐ FRANCE 3 CINEMA


Q:リリアンの先生としてフレデリック・ワイズマンが出てきたことに驚きつつ、見事なキャスティングだと思いました。ワイズマンをキャスティングした意図を教えてください。


ズロトヴスキ:大変残念ながら、彼はごく最近亡くなってしまいました。ですが、彼の思い出に触れることができるのは、私にとって嬉しいことです。彼は現役で活躍する世界最大の映画監督の一人であり、私の友人でもありました。私が彼を撮影するのは前作に続いて2度目です。前作では婦人科医を、今回は精神科医を演じてもらいました。


彼は、悪戯心に満ちた素晴らしい俳優です。彼は自分の映画の中で、自らの存在を消し去ることに全エネルギーを注いできました。ご存知の通り、彼のドキュメンタリーの手法にはナレーションもなく、彼自身が映画の中に登場することは決してありません。しかし人生の終わりに、彼は演じることを愛していました。ですから、彼は第一に俳優であることを楽しんでくれていたと思います。そして第二に、私にとって非常に重要だったのは、アメリカのあらゆる制度や機関が攻撃され、脅かされ、消滅の危機に瀕している今、アメリカの制度の記念碑である彼自身を、それらが存在したという証拠として、そして決して消滅させないために撮影することでした。


彼は本当に素晴らしい俳優でした。ヨーダのような存在で、何だか顔も似ていませんか(笑)。




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監督/脚本:レベッカ・ズロトヴスキ

1980年4月21日、パリ生まれ。エコール・ノルマル・シュペリュール(ENS/最難関の高等師範学校)とフェミス(フランスが誇る国立映画学校)を卒業。00年代半ばより脚本家として活動をはじめる。何本か短編を撮った後、長編監督デビューの『美しき刺』(10)がカンヌ国際映画祭批評家週間部門に出品の他、ルイ・デリュック賞新人作品賞を受賞。主演のレア・セドゥがセザール賞有望若手女優賞にノミネートされる。第2作『グランド・セントラル』(13)はカンヌ国際映画祭ある視点部門に出品、フランソワ・シャレ賞を受賞の他、ウィーン国際映画祭で国際映画批評家連盟賞、カブール・ロマンチック映画祭でグランプリを受賞した。ナタリー・ポートマンとリリー=ローズ・デップ主演の『プラネタリウム』(16)はヴェネチア国際映画祭に正式出品、『わがままなヴァカンス』(19)はカンヌ国際映画祭の監督週間でSACD賞受賞。『Les enfants des autres』(22)がヴェネチア国際映画祭コンペ部門出品、リュミエール賞で主演のヴィルジニー・エフィラが最優秀女優賞を受賞した。



取材・文:香田史生

CINEMOREの編集部員兼ライター。映画のめざめは『グーニーズ』と『インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説』。最近のお気に入りは、黒澤明や小津安二郎など4Kデジタルリマスターのクラシック作品。


撮影:青木一成




『プライベート・ケース』

7月24日(金)全国公開

配給:スターキャット アルバトロス・フィルム

©LES FILMS VELVET ‐ BUENOS HAIR ‐ FRANCE 3 CINEMA

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