向かって左より、プロデューサー:武中志門氏、監督:平田雄己氏、プロデューサー:天利英里子氏
映画『サマー・サークル ~夏の終わりに描く声~』ができるまで Vol.1【CINEMORE ACADEMY Vol.46】
福島県浜通り地域を舞台にした映画企画コンペティション「FFF Award 2025」にて見事グランプリを獲得した、映画監督の平田雄己氏と、プロデューサーの武中志門氏と天利英里子氏の3人。グランプリ受賞作『サマー・サークル ~夏の終わりに描く声~』の映画化へ向けて走り出した3人をゲストにお迎えし、どうやって映画は作られていくのか、連載形式で話を伺います。今回はその記念すべき第1回!
※本記事はCINEMORE Podcastで配信した内容をテキスト化・編集したものです。Podcastでもぜひお楽しみください。
『サマー・サークル ~夏の終わりに描く声~』あらすじ
福島・浜通りに暮らす中学2年生のハルカ、トモヤ、ソウタの3人は、放送部室の整理中、埃をかぶった古いラジオから不思議な信号を受信する。風変わりな「海の家」の店主から、かつて町にあった巨大な電波塔が宇宙と交信していたという噂を聞いた彼らは、信号は宇宙からのメッセージかもしれないと考え、その正体を探り始める。
Index
映画・ドラマ製作チーム「move-」の挑戦
Q:この映画作りのきっかけは、昨年開催された「FFFアワード2025」でグランプリを獲得したことだそうですね。
武中:そうですね。僕と天利が所属している「move-」というチームがあるのですが、これはCM制作会社・太陽企画の中で、映画やドラマなど物語のあるものを作っていこうと一昨年に立ち上げた部署。これまでは僕らはずっとCMを作ってきていて、「すでにある企画をどのように映像に落とし込むか」という仕事をしていました。そこから「0から1を生み出すこと」にも挑戦していこうと、ほぼ独学に近い状態で映画制作へのチャレンジを始めたんです。ようやく企画の作り方が分かってきたタイミングで、この「FFFアワード」という映画の企画コンペを見つけた。そこで腕試しも兼ねて参加を決めました。どうせなら監督も一緒に巻き込んで企画を作っていこうと、平田君に声をかけた次第です。
Q:move-と平田監督はどのように知り合ったのでしょうか。
天利:映画『秒速5センチメートル』(25)の現場で、私が平田監督と知り合いました。move-は右も左も分からない中で映画制作に挑戦しようとしていたので、まずは映画の現場に飛び込んで武者修行をしようと。最初に武中がドラマの現場に参加し、その後私が『秒速~』の現場に演出部として参加したんです。平田さんとは会議室で初めてお会いしたのですが、「どこの席に座るのが正解ですかね?」という会話が最初でしたね(笑)。そうして一緒に仕事をしていく中で、途中、平田さんが自主制作で作った映画が海外の映画祭に行くことになり、スタッフみんな「平田さんすごい!」とザワついていました(笑)。出会った縁を繋いでいきたい思いもあり、平田さんを今回の企画にお誘いしました。
Q:当時、平田監督はまだ学生だったのでしょうか。
平田:ちょうど『秒速~』の準備が始まる直前に東京藝大の大学院を修了して、4月から現場に合流しました。天利さんが言ってくれた海外の映画祭に出した作品も、大学院の実習で作ったものです。