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『猿の惑星』三つの色を持つ住人たち【川原瑞丸のCINEMONOLOGUE Vol.13】

『猿の惑星』三つの色を持つ住人たち【川原瑞丸のCINEMONOLOGUE Vol.13】

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平穏な市民はチンパンジー



 1968年の最初の『猿の惑星』公開からちょうど50周年である。昨年リブート三部作が完結したばかりだが、その世界観は50年経っても尚ポップ・カルチャーに影響を与え続けるほどアイコニックで巨大だ。リブート三部作でアンディ・サーキスがモーション・キャプチャーで演じた、ときに人間以上の表情を見せるCGの猿もすごいが、最初のシリーズのマスクによる猿の顔も、強烈な印象を残している。映画を一本も観ていなくとも、この猿の顔は砂浜に埋もれる巨像のイメージとともにすぐに思い浮かぶだろう。


 ところで猿、猿と言っているが、惑星を支配する「猿=エイプ」たちには三種類あって、それぞれ社会での役割や階層が分かれている。50年目を迎えても尚魅力を放ち続ける猿たち、その特徴やキャラクターを紹介してみたい。


 猿たちの中心的存在であるチンパンジーは、一作目の時点ではあくまでチャールトン・ヘストン扮する人間テイラーを助ける役でしかなかったが、のちにシリーズの顔となる。テイラーを助けたコーネリアスとジーラの夫妻はシリーズを追うごとに主役へと変わっていくし、彼らが過去の地球に渡ったシリーズ後半では夫妻の忘れ形見であるシーザーが、地球人類に革命を起こす英雄となる。人類への革命と猿の惑星の起源を描きなおしたリブート三部作でも、主人公はシーザーという名のチンパンジーである。


 チンパンジーは作中の猿社会においてスタンダードだが、強くて狡猾な他の二種に比べると、その力は弱いようだ。着ている服は緑色で、皮膚は明るく体毛は黒い。三種の中でいちばんかわいげがあり、なんと言ってもロディ・マクドウォールが演じたコーネリアスとシーザーの表情や挙動が味わい深い(2作目『続・猿の惑星』を除く4作に一貫して出演した)。



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