「点」をつないで「線」から「面」へ
Q:これまでも衣料の提供など直接的な支援を行われてきましたが、DFFは難民の方々に直接何かを渡すような支援ではありません。これは新たな支援の形を意識されている部分もあるのでしょうか。
柳井:そうですね。衣料支援、自立支援、教育支援、雇用支援、緊急支援など色々な支援の形がある中で、それら全てを映画が繋げていければいいなと。点と点が線になって、さらに面となり多方面に繋がっていく。それぞれ単体で見ると気づかなかったり繋がらなかったりすることが、映画というメディアを通して「こういうことなんだ」と実感することができる。映画館という空間で、ある種強制的に見る体験には、すごく強いものがある。
今回の基金では、日本で今年公開されて反響の大きかった映画『オールド・オーク』(監督:ケン・ローチ)や『シンプル・アクシデント/偶然』(監督:ジャファル・パナヒ)などと同じことを、短編という形で実現している実感があります。それはロッテルダムのワールドプレミアの時も思いましたし、描かれているストーリーや作っている監督たちの素晴らしいラインナップを見ても感じます。ものすごく可能性を感じますね。

DFFが支援する短編5作品が世界初上映されたロッテルダム国際映画祭の様子
Q:DFFは「難民問題への関心を持つ人が少ないことに対して、映画の持つチカラで、人々の意識を変えていくこと」を掲げています。プロジェクトを通じて「映画の持つチカラ」を実感した瞬間があれば教えてください。
柳井:ロッテルダム国際映画祭でワールドプレミアを行った際の雰囲気は、言葉では言い表せないほどの熱気がありました。観客の多くは、壇上で話す監督たちの言葉を集中して聞いていましたし、あの会場にいた方々にはしっかりとメッセージが届いている実感がありました。短編映画であるにも関わらず、数百人規模の会場があっという間に埋まったことにも驚きましたね。それだけ注目度も高く、観客の反応がすごかった。特に若い方々の熱気を感じました。まさに、映画でしか体験しえない感覚でした。