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『わたしの知らない子どもたち』VFXスーパーバイザー:上田倫人 目指したのは誰にも気づかれないVFX【Director’s Interview Vol.599】

『わたしの知らない子どもたち』VFXスーパーバイザー:上田倫人 目指したのは誰にも気づかれないVFX【Director’s Interview Vol.599】

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現在公開中の西川美和監督最新作『わたしの知らない子どもたち』が大きな話題を呼んでいる。戦後の荒廃した東京を舞台に、生きるために少年として生きることを選んだ少女・琴子と、すべてを失った元教師・曽根の過酷な運命と再生を描く本作。物語の深い没入感を支えているのが、当時の焼け跡や闇市、そして上野駅などを、約400ショットに及ぶVFXでスクリーンに甦らせた映像技術だ。


VFXスーパーバイザーを務めたのは、『シン・ゴジラ』(16)や『シン・ウルトラマン』(22)など数々の大作を手掛けてきた上田倫人。本作のVFXは、西川監督の繊細な演出といかにして融合し、戦後の東京をスクリーンに再現したのか。話を伺った。



『わたしの知らない子どもたち』あらすじ

琴子(小八重葵美)は、音楽家の父のもとで普通の暮らしをしていた少女。しかし戦争と敗戦によってすべてを失う。戦後の荒廃した東京で生き延びるために彼女が選んだのは、黒髪を切り、親からもらった名前を変え、そして、“少女”であることを隠し、少年として生きるという道だった。一方で、教師の曽根(二階堂ふみ)は、かつて軍国主義教育のもとで琴子に教える側だったが、敗戦とともに、生徒を棄て、恋人も、立場も、信念も、そして、女性としての尊厳もすべてを失っていく。ふたりは自らの生き方さえも手放しながら、それでもなお、今日という一日を生き延びていく。琴子は、少女を隠し“少年”としてどこへ向かうのか。曽根は、一度は棄てた生徒を見つけ出し、再び人として立ち上がれるのか。ふたりの歩みの先に再会はあるのか、再生は待っているのか。


Index


400ショットにわたるVFX



Q:上田さんが担当された「VFXスーパーバイザー」の役割について教えてください。 


上田:VFXといっても多岐にわたるのですが、本作に関しては「美術の延長」という位置づけでした。作品世界の広さや奥行きを作り出したり、映り込んでしまう現代物を消したりする作業が主な役割となります。



『わたしの知らない子どもたち』メイキングシーン ©︎2026 K2 Pictures・AOI Pro.


Q:今回のVFXショットはかなりの数があったと思いますが、具体的にはどれくらいあったのでしょうか。 


上田:約400ショット近くありましたね。ポストプロダクションの期間は半年ほどで、関わったスタッフは最大で107名にのぼりますが、メインで稼働していたのは20名程度だったと記憶しています。


Q:撮影期間も含めて皆さん稼働されていたのでしょうか。


上田:撮影中はそこまで大規模には動いておらず、メインとなる5〜6名のスタッフが現場に立ち会ったり、現場のスキャン作業*を行ったりする程度でした。本格的なVFX作業は撮影が終わってからスタートしています。


*:実写の人物や小道具、ロケ地・スタジオセットなどを、写真撮影や3Dスキャンでデジタルデータ化する作業。





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