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『マルセル&ムッシュ・パニョル』シルヴァン・ショメ監督 フランスアニメの名手、初の「セリフが多い作品」【Director’s Interview Vol.601】

『マルセル&ムッシュ・パニョル』シルヴァン・ショメ監督 フランスアニメの名手、初の「セリフが多い作品」【Director’s Interview Vol.601】

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『ベルヴィル・ランデブー』(02)、『イリュージョニスト』(10)と、ともにアカデミー長編アニメ映画賞にノミネート。フランスを代表するアニメーション監督となったシルヴァン・ショメ。ただし、ここ15年ほどは長編アニメーションの新作を発表しておらず(実写は手がけた)、最新作が待たれていた。ようやく完成したのが『マルセル&ムッシュ・パニョル』(25)だ。小説家で劇作家、映画監督としても知られる、フランスの国民的作家マルセル・パニョルの人生をたどる本作。温かみがありつつ、独特のカリカチュアされたショメならではのタッチは、さらに別次元へと進化した。来日したシルヴァン・ショメに、本作までの空白期や今回の特別なこだわりなどを聞いた。



『マルセル&ムッシュ・パニョル』あらすじ

1956年パリ。フランスの国民的作家マルセル・パニョルは雑誌連載の執筆を依頼され、最初の一行を書き始めると、少年時代の自分が突然現れる。筆が進むにつれ、プロヴァンスやパリの思い出、演劇界や映画界での活躍など、鮮やかに蘇る記憶の数々。やがて、二人で自らの人生を振り返る、事実に基づく物語。


Index


10年以上アニメから遠ざかりつつ、『ジョーカー』続編などに協力



Q:あなたにとって『マルセル&ムッシュ・パニョル』は久しぶりの長編アニメですね。


ショメ:『イリュージョニスト』の公開が2010年で、この『マルセル&ムッシュ・パニョル』に取り掛かったのが4年前ですから、たしかに長い間、アニメから遠ざかっていました。「ザ・シンプソンズ」(89〜 TV)のオープニングなど短いアニメは作っていたんですけどね。韓国の有名作家の小説のアニメ化など、いくつか進んだ企画はあったものの、実現には至りませんでした。2009年までエディンバラのスタジオが起点でしたが、そこを閉じて現在はパリとノルマンディーの中間あたりにスタジオを構えています。


Q:アニメへの復帰という点で、あなたは2024年の『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』の冒頭のルーニー・テューンズ風のシークエンスを手がけています。『ベルヴィル・ランデブー』と重ねたくなるシーンもありました。


ショメ:トッド・フィリップス監督が『ベルヴィル・ランデブー』のオープニングが大好きで、ミュージカル要素のあるアニメを私に依頼してくれたんです。そこで私の方からは『ベルヴィル・ランデブー』ほどオールドスタイルにせず、質感や色使い、動きを変え、顔の表情を重視したアニメーションを提案しました。結果的に満足のいく仕上がりになりましたね。あのワーナーのオープニングロゴに合わせてカートゥーンを作れたのは、私にとって人生の夢がひとつ叶ったようなものです(笑)。



『マルセル&ムッシュ・パニョル』© 2025 WHAT THE PROD - MEDIAWAN KIDS & FAMILY CINÉMA – BIDIBUL PRODUCTIONS - WALKING THE DOG


Q:『マルセル&ムッシュ・パニョル』の主人公は映画監督としての側面もあります。ご自身との距離感も近い題材ですよね。


ショメ:私が最も興味を持ったのは、テクノロジーの進化をきっかけに、自ら進む道を変えることのできた人物という点です。マルセル・パニョルは演劇の世界でキャリアを積んでいましたが、映画がトーキーに移行したことで、映画の脚本を書こうと決意し、自身のスタジオも所有するようになります。そんな彼が61歳で回想録の執筆を依頼される。そこを起点に物語を描こうと考えました。この映画を構想し始めたのが今から7年前、私が56歳の時だったので、設定としてふさわしかったのかもしれません。


Q:今回の手法として、俳優の演技を撮影し、それを参考にアニメーションを作ったそうですが、ロトスコープ(実写映像をトレースしてアニメにする)ではないそうですね。


ショメ:最近はロトスコープが多用されますが、私はその仕上がりをあまり信用していません。今回は演技や衣装のリファレンスとして使っただけです。俳優の動きを、手描きやデジタルでトレースするわけですが、この手法はウォルト・ディズニーが『白雪姫』(37)の時代から採用していました。ただ、彼らは長年その事実を隠してきました。自分たちのアニメーション技術が魔法のようだと信じてほしかったからでしょう。彼らが実写を参考にしていた制作風景の映像が公開されたのは、わりと最近のことなのです。





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