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タイムマシン・デロリアンの変遷【川原瑞丸のCINEMONOLOGUE Vol.20】

タイムマシン・デロリアンの変遷【川原瑞丸のCINEMONOLOGUE Vol.20】


70年の時を越えて走る最後のデロリアン





 手違いで西部開拓時代の1885年に飛ばされてしまったドクは、飛行機能やタイムトラベルに必要な「タイムサーキット」が壊れてしまったデロリアンを鉱山の廃坑に封印し、70年後の1955年になってから、マーティが当時のドクとともに修理して無事1985年に戻れるようにする。ボンネットの上に載せられた装置は、壊れてしまったタイムサーキットのマイクロチップ(日本製)の代わりで、真空管や配線を木枠で囲んだ電子回路となっている。さらに50年代特有のホワイトリボンのかわいいタイヤが付けられ、スタイリッシュで未来的だったデロリアンにそれらのレトロな要素が加わっておもしろい造形になっている。未来と過去の雰囲気をまとった最後のデロリアンは、ノスタルジックな西部開拓時代に旅立ち、機関車とともにロマン溢れる最後の冒険を繰り広げる。


 パート2の改造で距離と燃料の問題を解決したが、飛行機能は失われ、燃料タンクに穴が開いて貴重なガソリンも無くなってしまう。「Mr.フュージョン」は無事なのでプルトニウムは必要ないものの、今度はクルマにとって当たり前の燃料であるガソリンが、ドクとマーティを悩ませる。ただ原点に立ち返るだけでなく、自走するクルマの存在を遠いものにし、パート1とは違った形で距離と燃料の問題に戻っているのが、よくできていると思う。また主人公マーティは馬や機関車といったクルマ以前の移動手段、さらには自分のご先祖さまと対面するなど、いろいろな意味で原点に出会うのが、パート3の物語だった。


 ここで描いたのは、3部作に合わせて3種類のバージョンだけだけれど、実はもっと細かく区別することもできる。パート1の1985年と1955年とでも違うバージョンになるし、パート3も廃坑から発掘されて修理されたものと、機関車に押されて走るものとでは違うものになる。あなたはどのデロリアンが好きだろうか?



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イラスト・文:川原瑞丸

1991年生まれ。イラストレーター。雑誌や書籍の装画・挿絵のほかに映画や本のイラストコラムなど。「SPUR」(集英社)で新作映画レビュー連載中。 

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