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  3. 自分のベースはエンタメだと思っているので、今後もエンタメを撮っていきたいですね。白石和彌監督『凪待ち』【Director’s Interview Vol.33】
自分のベースはエンタメだと思っているので、今後もエンタメを撮っていきたいですね。白石和彌監督『凪待ち』【Director’s Interview Vol.33】

自分のベースはエンタメだと思っているので、今後もエンタメを撮っていきたいですね。白石和彌監督『凪待ち』【Director’s Interview Vol.33】

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白石組の魅力的な役者陣



Q:今回出演された香取さんもリリー・フランキーさんも、普段の二人のイメージからは、バイオレンスとは距離があると思うのですが、その二人をどう演出されたのでしょうか。


白石:まあ、いつも変わんないんですけどね。このキャラクターはこういう人で、いつもこうやって、云々とかはそんなに言わないんです。ロケ現場の風景を見て、(香取さん演じる)郁男ってこういう風景見て毎日暮らしてるんですよね。とか、リリーさん演じる小野寺にしても、この工場のあの場所でタバコを吸うのが好きな人なんじゃないですかねとか。そんな話をすることが多かったですね。


Q:香取さんやリリーさんは、あまり役を作り込まず、直感的にその場で動いていく感じだったのですか。


白石:そうですね。役作りを一からやってる感じではないと思います。ガチガチに役を固めてる感じはしなかったですね。




Q:白石組常連の吉澤健さんや音尾琢真さんも脇を固めています。


白石:毎作品、音尾いじりをしています(笑)。


Q:音尾さんっていつも悪いイメージの役な気がします(笑)。


白石:今回いい役じゃないですか。


Q:そうなんですよ。今回、最後ちょっといい役でしたね。


白石:いい役~!(笑)。


Q:白石組にいつもあの2人が出てるのは何故ですか?


白石:音尾君は同じ高校の1個下だからです。




Q:、あ、そうなんですね。同じ北海道出身ですもんね。


白石:そうなんです。音尾君はいつの間にか特別枠に座ってるなって思います(笑)。ですが、俳優としての音尾君をとても尊敬してますよ。リリーさんも常連ですね。でもリリーさんは全部というわけではないかな。『凶悪』(13)と『サニー/32』と今回の『凪待ち』の3本ですね。あと、もちろん瀧さんがいたんですけど、瀧さんはちょっと残念ながら出演がなかなか難しくなっちゃって(苦笑)。僕としては、「飛車」がなくなっちゃった感じですね。


Q: なるほど、「飛車」ですか。何となくわかる気がします。


白石:吉澤健さんは師匠の若松孝二さんの映画で、6~70年代に若松プロの主演俳優でスターでしたから、それはもう最大の敬意を払って出てもらってますね。芝居上手いですしね。


Q:吉澤さんもすごくよかったですよね。前作『麻雀放浪記2020』では、ほとんど顔が見えなかったので、同じ人が演じているとは思わず、驚きました。


白石:吉澤さん、『麻雀放浪記2020』では、目玉を出す謎のチンチロリンオヤジでしたしね(笑)




Q:吉澤さんとは大体通じ合ってる感じですか。


白石:吉澤さんとはそうですね。吉澤さんは役のプランを考えて現場に来るんだけど、でもいつも何かが変なんです、そのプランが(笑)。でもそれがまた最高なんです。吉澤さん曰く、「こういうイメージで作って来たけど、多分やりきれないから普通の演技にする」って、一体どんなイメージで来たんだよって(笑)。


Q: 男性陣に負けず、恒松祐里さんも素晴らしかったです。現場ではどのように話されたのでしょうか。


白石:恒松さんには、演じてもらう美波の経歴を、ある程度話しました。映画の最初では、仲の良い友達のような親子に見えてほしいけど、でも本当はまだ親子になれてない関係なんだよね。とか、また、この映画が終わった後には、きっとこの人たちは親子になれるんだろうな。とか、そういうような設計にしたいっていう意図は伝えましたね。



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