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  3. 自分のベースはエンタメだと思っているので、今後もエンタメを撮っていきたいですね。白石和彌監督『凪待ち』【Director’s Interview Vol.33】
自分のベースはエンタメだと思っているので、今後もエンタメを撮っていきたいですね。白石和彌監督『凪待ち』【Director’s Interview Vol.33】

自分のベースはエンタメだと思っているので、今後もエンタメを撮っていきたいですね。白石和彌監督『凪待ち』【Director’s Interview Vol.33】


 『孤狼の血』『彼女がその名を知らない鳥たち』など、今の日本映画界でアグレッシブに製作を続ける白石和彌監督。最新作『凪待ち』では、主演に香取慎吾を迎え、完全オリジナル作品に挑んでいる。白石監督のパワフルな作品たちは、一体どのような現場から生まれるのか?製作の舞台裏を中心に、話を伺った。


Index


オリジナルだから出来ること



Q:完全オリジナル作品ですが、今回の物語を作った経緯を教えてください。


白石:立ち直れなくなった男が再生する話はいつかやりたいと思っていたんです。そんな時、前からご一緒したかった香取さん主演のお話をいただいたので、この話を具体的に詰めていくことにしました。ただ当時は『サニー/32』(18)と『孤狼の血』(18)の公開が控えていて、自分一人で話を書ける状況ではなかったので、脚本家の加藤正人さんに入ってもらって、ディスカッションしながら脚本を進めていったんです。


そうしたら、加藤さんが競輪の話を入れたいって言い出して、、「あー、また大変なことを言い出してる」って思ったんですけどね(笑)。でも考えてみると、競輪って依存症のようなところがあるので、脚本にうまくハマりそうだったんです。依存せざるを得ない弱い男の話が描けるかもなって。


ただ、もしかしたら香取さん側からNGが出るかなと思いつつ、でも、一度その脚本を香取さんに読んでもらったんです。すると意外にも「すごく面白いですね。」って言ってくださって、それでどんどん話が進んでいきましたね。


また、僕が作家として、これまで「震災」というものを描いてきてなかったので、これもどこかで描きたいなという思いもあり、今回のタイミングなら出来そうだと、同時に脚本に入れていきました。




Q:それで舞台が石巻になったんですね。


白石:そうですね。震災直後は、それに関連したドキュメンタリーやドラマがたくさん作られたのですが、そこで描かれていることがどれだけ真実なのか疑問もあったんです。そんな思いを抱きながらも、僕自身はそこになかなか踏み出せなかった。それから時間が経って、復興は進んでないにも関わらず、皆がそのことを忘れ始めてきてる今だからこそ、描けるタイミングかなって思いました。


また、香取さん自身がこれまで被災地をすごくサポートしてきていることもあり、もしかして香取さんとだったら一緒に向き合えるのかなとも思ったんです。


Q:オリジナル脚本と原作モノで、製作の違いなどはあるのでしょうか。


白石:基本は一緒ですよ。ただ、原作モノは大きく内容を変えちゃうのはNGなので、その辺は頭を使わなきゃいけないですよね。また、どうしても、原作をどう映画として面白くしようか、ということが中心になってくるので、大胆なアイディアもそんなには出てこないんです。


一方で、オリジナルは自由なので、急に競輪の話が出てきたとしても、「競輪?なるほど、いいかもしれないですね。」みたいなことになっちゃうんですよね(笑)。




Q:堕落していく要素として競輪がキーになっていますが、競輪が出てくる前は他の要素で検討されていたのですか。


白石:そうですね。恋人が殺されて、それで身を崩していくっていう話でも成り立ったと思うんですけど、多分、加藤さんはそれでは足りなかったんでしょうね。恋人が殺されたのに、前より博打から離れられなくなるって、冷静に考えてみるとすごいことじゃないですか。そんな人見たことないし。でも、本当は多分そういう人はいっぱいいると思うんですよ。何かその感じは、堕ちていく男としてはいいなと思ったんですよね。



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