これまで避けてきた「家族の話」
Q:親子や家族の話は、白石監督にとっては珍しいテーマかと思いますが、今回撮影してみていかがでしたか?やはり、これまでとは違ったのでしょうか。
白石:いやー、違いますねー。家族の話をこれまでどこかで避けてたんですよ。でも、いずれ描かなきゃいけないだろうなというのは、何年も前からあったんです。次回作の『ひとよ』っていう映画も、実は家族の話なんですが、この『凪待ち』の方が先にきちゃったんですよね。まあ、恥ずかしい部分もあったのですが、自分を投影したりとかもしましたね。
Q:家族になりきれない男が主人公で、ある意味いびつな家族の形が描かれるのですが、これは白石流の家族の描き方なのかなと感じました。
白石:それはそうだと思いますね。
Q:香取さんとは、家族の話はされたのでしょうか。
白石:香取さん自身の「家族観」の話は聞かなかったですね。反対に、僕の「家族観」をこういうところに反映していますって伝えると、「なるほど」って聞いてくれましたけど。多分本人と話したのはそれくらいですね。でも、もしかしたら香取さんの中でも、自身の「家族観」が投影されている可能性はありますね。
香取慎吾ってエンターテイナーでスターだし、これまでずっと見て来た香取さんの笑顔のイメージってあるけど、実はそれだけじゃなくて、今回演じてくれた郁男のようなイメージを僕はすごく感じたんですよね。そう考えると、もしかしたら、本人なりに投影している部分はあるのかもしれないですね。
Q:映画の中では、実際こういう人なんじゃないかぐらいの感じに見えますよね。
白石:本当にそうなんです。香取さんすごい俳優ですよ。