ものづくりは本当に好きだけど、こんなに苦しいことはないと思って作っています。『Midnight / 0時』Jo Motoyo監督【Director’s Interview Vol.34】
「ものづくり」ほど苦しいことはない
Q:編集作業が楽しくて一番好きだっていう監督は結構多いのですが、Joさんはどうですか?
Jo:実は、、撮影・編集など全部の工程がそんなに好きじゃないですね(笑)。
Q:そうなんですか!?意外です。
Jo:好きじゃないと言うと語弊があるのですが、ものを作ることは本当に好きだけど、こんな苦しいことはないと思って、いつも作っていますね。
Q:確かに、かなりしんどい作業ですよね。
Jo:マジでしんどいですよ(笑)。なんでこの職業にしたんだろうって思うくらいしんどい(笑)。みんなすごい楽しい楽しいって言って、苦しかったことを帳消しにしようとするんだけど、めっちゃ苦しいです(笑)。でも、他にやりたいこともないから、もう戻れないっていうのはあるんです。それで作り続けているのかもしれません。
Q:写真など個人での創作活動をやってこられた経験もあるそうですが、それと比べて多くの人が関わってくる映像制作とでは、どんなところが違いますか?
Jo:たくさんの血が入るっていう言い方をいつもしているのですが、出来上がったものが独りよがりじゃない感じがすごくしますね。特に今回に関しては、みんなの血が入ることが本当に重要だと思っていて、そういう点ではみんなで作り上げた一本だという感覚が強いです。最後までプロデューサーとたくさん話しましたし、制作部のスタッフともたくさん話して、それぞれ監督っぽい立ち位置すら担ってもらうことができたと思っています。それはすごくよかったなって感じがしますね。
Q:監督っぽい立場を担ってもらったとは、具体的にはどんなことだったのですか?
Jo:監督の立場になって色々と物事を考えてもらったっていうことですかね。例えば、ここのセリフを際立たせるために、この前後ってどうしたらいいと思う?とか、私自身も分かってないような質問をしてみたりしてました(笑)。キャスティングについても、全ての資料に目を通してもらってベストな出演者を考えてもらったりとか、そうすることによって、自分からは出てこないドキッとするような深い考察や意見が出てきたりして、とても驚きましたね。でもそれが全員野球のよさだと思います。