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ドキュメンタリー作家としての知識や経験をフィクションで使えることに興奮しました『プライベート・ウォー』マシュー・ハイネマン監督【Director’s Interview Vol.40】

ドキュメンタリー作家としての知識や経験をフィクションで使えることに興奮しました『プライベート・ウォー』マシュー・ハイネマン監督【Director’s Interview Vol.40】

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ドキュメンタリーの美学を導入した撮影方法



Q:シリアやホムスの戦争地帯の場面では、実際の難民をエキストラとしてキャスティングされたようですが、ドキュメンタリーの手法やコンセプトをどのように物語のプロセスに持ち込もうと試みましたか。


マシュー:今回は、製作中のどのステップにおいても、私の座標は、本物らしさ、いかにリアルであるかということでした。リサーチを何ヶ月もするなかで、メリーがどういう人物であったか、ロンドンと紛争地での彼女の両方を描くことも重要だと考えるようになりました。例えば戦地の場面では、観客が本当にその場にいるように、弾が飛んでくればそれを肌で感じるように作ることも重要でした。


同時に、場所の文化やその土地の持つスピリットみたいなものも捉えたいと思ったので、実際の場所に近いヨルダンで撮影も行っています。スリランカからシリアまでの様々な地域の難民の方、実際にホムズで被害に遭われた方たちにも登場してもらうことで、現場の気持ちが高まる影響もありました。




Q:そういった場面は、実際に脚本などないドキュメンタリーのような形で撮られているのでしょうか。


マシュー:もちろんそうです。全体的に本作ではアドリブを大切にしていますが、例えば、ロザムンドが地下室にいる未亡人たちに語りかける場面では、彼女に誰に語りかけてほしいかは指示を出しましたが、そこで未亡人たちが語る話は本当の経験談でした。ヴェリテのアプローチで本物の状況に近い形で撮影し、本物の人間の本物の感情を捉えたかったのです。



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