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ドキュメンタリー作家としての知識や経験をフィクションで使えることに興奮しました『プライベート・ウォー』マシュー・ハイネマン監督【Director’s Interview Vol.40】

ドキュメンタリー作家としての知識や経験をフィクションで使えることに興奮しました『プライベート・ウォー』マシュー・ハイネマン監督【Director’s Interview Vol.40】

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名撮影監督による臨場感溢れる撮影と影響を受けた作品



Q:ロバート・リチャードソン(オリヴァー・ストーンやマーティン・スコセッシ、クエンティン・タランティーノらの作品の撮影監督を手がけてきたことで知られる)による撮影は、自然光のもと、確かに危険な戦場に入り込むコルヴィンを後ろから追いかける臨場感溢れる現実的なアプローチを採用しています。どういった経緯で彼と組むことになりましたか。


マシュー:彼のエージェントから、“ボブ(リチャードソン)とこの作品について話してくれないか”と連絡がありました。信じられなくて、最初、友達が私のことをからかってるのかと思いました(笑)。初めての劇映画で彼のような撮影監督に参加してもらえたのは本当に最高でした。もともと彼自身もドキュメンタリーから始まっていて、エルサルバドルのドキュメンタリー『The Front Line』(82)を観たオリヴァー・ストーンが『サルバドル/遥かなる日々』(86)に撮影監督として採用した経緯があるぐらいです。




彼と何ヶ月にも渡ってこの物語について話し合って、自分たちの好きな映画と好きじゃない映画、戦争に関する映画ほとんどすべてについて議論しました。当初は、今までの自分のドキュメンタリーと同様に、観客が肌で感じられるような空気感のものが、初めての劇映画で撮れるかどうかナーバスでした。でも彼とだったらそれができると思いました。


Q:ロバートとは具体的にどのようなイメージを共有したのでしょうか。


マシュー:たくさんあったから何かこれ一本ということはありませんが、例えば『ハート・ロッカー』(08)や『ゼロ・ダーク・サーティ』(12)、それからボブが手がけた作品は大きなインスピレーションになりました。ふたりでかなりいいねと言っていた作品が、アフリカの兵士を描いた美しい映画『魔女と呼ばれた少女』(12)でした。あとは、ジャーナリスティックな映画である『キリング・フィールド』(84)からもインスピレーションを受けました。


様々なヴィジュアル・スタイルやテクニックについて話し合って、そういった作品をそのまま模倣するのではなく、自分たちのスタイルを見つけるための参考にしました。



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