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『ジュディ 虹の彼方に』ジュディ・ガーランドとレネー・ゼルウィガー。響き合う2つの魂

(c) PATHÉ PRODUCTIONS LIMITED AND BRITISH BROADCASTING CORPORATION 2019

『ジュディ 虹の彼方に』ジュディ・ガーランドとレネー・ゼルウィガー。響き合う2つの魂

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ルイス・B・メイヤーの悪魔の囁き



 1935年、MGMと専属契約を結んだガーランドは、社長のルイス・B・メイヤーによって厳しく管理されていた。肥満気味の体をスリムに保たせるための減量剤、多忙を極める仕事に対応させるための興奮剤、そして、少しの時間を利用して熟睡させるための睡眠薬と、何と、それぞれ交互に投与されており、それはまるで家畜の管理のようだった。不満を訴えるガーランドを上から見下ろしながら、メイヤーはこう呟く。「お前は選ばれた存在なのだ。それが嫌なら、貧しい少女に戻るがいい」。メイヤーの顔に当てられたライティング効果もあり、この場面での彼はまるで悪魔のようだ。



『ジュディ 虹の彼方に』(c) PATHÉ PRODUCTIONS LIMITED AND BRITISH BROADCASTING CORPORATION 2019


 人気子役の宿命として、プライベートもPRの一環だったガーランドは、まだ誕生日が来ていないのにもかかわらず、スタジオの都合で早すぎるバースディ・パーティに参加させられる。同じMGMのお抱え子役だったミッキー・ルーニーとのデート場所も、スタジオの中にセッティングされる。


 しかし、彼女はそんな生活を受け入れた。舞台の袖に引っ込んでも、観客の拍手喝采が聞こえると、楽屋に戻るのも忘れて、もう一度舞台に引き返そうとするのだ。ルイス・B・メイヤーの忠告は正しかったのかもしれない。ジュディ・ガーランドは天性のスターだったのだ。



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