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『ボヘミアン・ラプソディ』全身全霊でフレディ・マーキュリーになりきった、ラミ・マレックのアプローチ

© 2018 Twentieth Century Fox

『ボヘミアン・ラプソディ』全身全霊でフレディ・マーキュリーになりきった、ラミ・マレックのアプローチ

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『ボヘミアン・ラプソディ』あらすじ

伝説のバンド<クイーン>。その生き様が世界を変えた、感動の物語。ワンフレーズを耳にすれば思わず心が躍りだす名曲で、世界中を魅了する伝説のバンド<クイーン>。そのリード・ヴォーカルにして、史上最高のエンターテイナーと讃えられたフレディ・マーキュリーの生き様を映し出すミュージック・エンターテイメントが誕生!世間の常識を打ち破る革新的な音楽を次々と生み出し、スターダムを一気に駆け上がったフレディと仲間たち。今なお語り継がれる劇的なパフォーマンスを披露した彼らの華やかな活躍の裏には、誰も知らないストーリがあった……。


Index


カリスマ的ミュージシャンの役で演技力が試される



 実在の人物を演じること。俳優なら必ずと言っていいほど待ち受ける機会である。歴史上の人物から、現在も生存中の有名人まで、本人そのものになりきるというより、世間のイメージを考えながら演じる必要がある。単にそっくりに演じればいいわけでもない。しかし成功すれば、演技力が高く評価されるきっかけにもなり、事実、アカデミー賞などでは実在の人物役が受賞するケースが多い。


 その人物が、時代を象徴するカリスマ的な存在の場合、演じるうえでは困難もつきまとう。人々の脳内に強烈に焼きついているからだ。なかでも再現度が難しいのは、ミュージシャンかもしれない。素顔はもちろんのこと、個性的な「パフォーマンス」を体得する必要がある。熱狂的なファンも納得させるために、演じる側には実力と覚悟が要求される。そして成功すれば、大きな賞賛が待っている。



『ボヘミアン・ラプソディ』© 2018 Twentieth Century Fox


 ジェイミー・フォックスがレイ・チャールズを演じた『RAY/レイ』(04)は、見事にアカデミー賞主演男優賞を受賞したし、マリオン・コティヤールも『エディット・ピアフ〜愛の讃歌』(07)で同主演女優賞に輝いた。『ブラックパンサー』(18)のチャドウィック・ボーズマンも、『ジェームズ・ブラウン〜最高の魂を持つ男〜』(14)で、本人になりきったパフォーマンスを披露。少し時代を遡ると、カート・ラッセルがエルヴィス・プレスリーを演じた『ザ・シンガー』(79)などもある。プレスリーを他の俳優が演じた作品はいくつかあるが、「主人公」として真正面から描いた作品は珍しく、カート・ラッセルにとっても転機の一作となった(アメリカではTVムービーとして製作され、日本では劇場公開された。監督は、あのジョン・カーペンターである)。その他にも『シド・アンド・ナンシー』(86)、『バード』(88)、『グレート・ボールズ・オブ・ファイヤー』(89)など意外に名作が多く、ボブ・ディランを6人が演じた『アイム・ノット・ゼア』(07)や、若き日のジョン・レノンを描いた『ノーウェアボーイ ひとりぼっちのあいつ』(09)といった変化球型もある。


 プレスリーやディラン、レノンのように「伝説」の存在となったミュージシャンの実録を、本気で映画化する。その難しい地点に挑んだのが、フレディ・マーキュリーを主人公にした、2018年の『ボヘミアン・ラプソディ』なのである。



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