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『ストリート・オブ・ファイヤー デジタル・リマスター版』「ロックン・ロールの寓話」が生み出した、時を超えて輝き続ける音楽

©1984 Universal Studios. All Rights Reserved.

『ストリート・オブ・ファイヤー デジタル・リマスター版』「ロックン・ロールの寓話」が生み出した、時を超えて輝き続ける音楽

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『ストリート・オブ・ファイヤー デジタル・リマスター版』あらすじ

ロック歌手のエレン(ダイアン・レイン)が地元凱旋ライブ中にストリートギャング"ボンバーズ"に誘拐された。姉リヴァ(デボラ・ヴァン・フォルケンバーグ)から連絡を受け久々に街に戻ってきた流れ者のトム・コーディ(マイケル・パレ)は、偶然出会った陸軍あがりの女兵士マッコイ(エイミー・マディガン)、エレンのマネージャーを務めるビリー(リック・モラニス)とともにボンバーズのアジトを急襲、エレンを救い出した。トムとエレンはかつて恋人同士だったが、彼女のキャリアを優先するため苦い別れ方をした仲だった。面目を潰されたボンバーズのボス、レイブン(ウィレム・デフォー)はトムに決闘を申し込み、街に仲間とともになだれ込んでくる。レイブンとトムの一騎討ちの死闘。壮絶な対決の末、トムが勝利した。この出来事に恋心が再燃したエレンとトム。エレンは復縁を申し出るが、トムはまた街を去ることを決めていた。


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サウンドトラック・アルバムが作品の魅力だった1980年代



 「A ROCK & ROLL FABLE=ロックン・ロールの寓話」。


 スクリーンにこの言葉が刻まれて始まる『ストリート・オブ・ファイヤー』は、FABLE=寓話、伝説、作り話として、時を超える普遍の物語を宣言する。とはいえ、描かれるのは、「かつて愛した女性を助けるために、街に戻ってくる男」という設定で、往年の西部劇のスタイルを踏襲している。これについて監督のウォルター・ヒルは次にように語っている。


 「私は長い間、“本当のロックン・ロール映画”を作りたいと思ってきた。この作品のシチュエーションと象徴は、大半のロックン・ロール曲のテーマと同一だ」(公開時の劇場パンフレットより)



『ストリート・オブ・ファイヤー デジタル・リマスター版』©1984 Universal Studios. All Rights Reserved.


 要するに、映画それ自体がロックン・ロールということなのだろう。タイトルの『ストリート・オブ・ファイヤー』もブルース・スプリングスティーンの曲名(アルバム「闇に吠える街」に収録。日本語タイトル表記は「 ストリーツ・オブ・ファイアー」)からとられている。もともとその曲が劇中でも使われる予定だったが、別の歌手がカバーすることになった時点で、スプリングスティーンが使用を断ったという。タイトルと同名曲は流れないが、今作は、ロックン・ロールというジャンルをも超えて、とにかく全身に電気が走るような強烈なインパクトの曲にいろどられ、展開していく。


 1984年の公開当時、その直前の『 フラッシュダンス』(1983)や『 フットルース』(1984)のように、多彩なアーティストの曲を使用したサウンドトラックが魅力となる作品が続き、ひとつのブームを形成していた。ただ、これらの作品と『ストリート・オブ・ファイヤー』が違うのは、劇中で登場人物が実際に歌うシーンが多いこと。ヒロインが人気シンガーであり、彼女がライブ中に悪者にさらわれるのが発端となっているからだ。



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