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MTV時代を象徴する映画『フラッシュダンス』に意味を持たせた、ジェニファー・ビールスの英断とは

MTV時代を象徴する映画『フラッシュダンス』に意味を持たせた、ジェニファー・ビールスの英断とは


 1本の映画の中には、ほぼ必ず1箇所または数カ所、音楽をバックに物語が一気に進行するショーアップ・シークエンスがある。音と映像にすべてを託した、台詞が不要の数分間だ。しかし、1980年代前半、そのようなミュージック・ビデオ的シーンをあろうことか約10分毎に挿入して、見事に1本の作品として完成させた、いわゆる"MTV映画"があった。『フラッシュダンス』だ。


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観客の度肝を抜いた妙技、ブレイクダンス



 それはあらゆる意味で衝撃的だった。物語と映像とが巧みに連動し、感動が増幅させられる時にもたらされる快感。後にブレイクダンスとして認知されることになる、曲芸のようなストリートダンスの興奮。曲に合わせて踊っていた街角のストリートダンサーが、突如路上に仰向けに横たわったかと思えば、丸めた背中を軸にして、体全体が横回転を受けて駒のようにくるくる回り始める。映画では、ジェニファー・ビールス扮するダンサー志望のヒロイン、アレックスが、バレエ学校の入学試験でブレイクダンスを披露して、意地悪な試験官の度肝を抜く。


 視覚と聴覚に訴えかける95分間は、本当に、あっと言う間に過ぎ去った。結果、『フラッシュダンス』は全米で1983年の年間第3位、世界では1億ドル突破、日本では『E.T.』『南極物語』『スター・ウォーズ ジェダイの帰還』に次ぐ第4位の大ヒットを記録した。



 くるくる回転ダンスがブレイクダンスと呼ばれ、すでに1970年代からニューヨークのサウスブロンクスで流行っていた踊りだと分かるのは、1984年の映画『ブレイクダンス』が公開されたあたりからだ。しかし、『フラッシュダンス』公開直後から果敢にブレイキングに挑戦する日本の若者はいたと思う。だが如何せん、勢いよく床に寝転がったものの、回る前から体が解けたり、回転力が足りず、赤ん坊のように仰向けのままストップしてしまうケースが多かった。無理もない。そもそも、ブレイクダンスはストリートギャング団同士が、殺し合いの代わりに考案したダンスバトル。命がけの戦いなのだ。



(C) 1983 Paramount Pictures. All Rights Reserved. TM, (R) & Copyright (C) 2013 by Paramount Pictures. All Rights Reserve


 ダンスのパターンは全部で4つ。まずは挨拶代わりに立ったまま踊る"エントリー"。床に手を付いたまま脚をダイナミックに動かし続ける"フットワーク"。"フットワーク"や"パワームーブ"等の激しいダンスの最中に、絶妙のタイミングで動きを止める"フリーズ"。一番の見せ場はその"パワームーブ"だ。"パワームーブ"の中でも代表的なのは、『フラッシュダンス』でも踊られる背中や肩で回転する"ウィンドミル"だが、それを発展させて頭で回転する"ヘッドスピン"という技もある。それらを人前で披露するためには、ダンステクニックと並行して、アスリート並みの筋力が必要不可欠なのは今や常識。"ウィンドミル"の時に体を支える腕の筋力、腰を高く上げるための腹筋、片手で回転する時の背筋、等々。では、ジェニファー・ビールスはいったいそれをどうマスターしたか?



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