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MTV時代を象徴する映画『フラッシュダンス』に意味を持たせた、ジェニファー・ビールスの英断とは
ジェニファー・ビールスには3人の影武者がいた
今や常識中の常識だが、『フラッシュダンス』ではブレイクダンスを始め、ダンスシーンはすべて吹き替えられた。当時は、製作サイドが映画の夢をキープするために事実は伏せられていたのだ。ビールスには、『ストリート・オブ・ファイヤー』(84)等で知られるフランス人女優のマリン・ジャハン、入学試験でアレックスが空中をジャンプするシーンには、体操選手出身のシャロン・シャピロ、同じくブレイクダンスシーンはプロのブレイクダンサー、クレイジー・レッグスと、3人のボディダブルが存在した。
しかしそれが判明しても尚、ファンの『フラッシュダンス』熱、ジェニファー・ビールス熱は少しも冷めなかった。彼女の新鮮な個性と躍動感がなければ、映画はそこまで魅力を持たなかったことを、誰もが認めていたからだ。
『フラッシュダンス』(C) 1983 Paramount Pictures. All Rights Reserved. TM, (R) & Copyright (C) 2013 by Paramount Pictures. All Rights Reserved.
全編に流れる音楽のクオリティも、軒並み高かった。アイリーン・キャラが録音に向かう途中の車中で歌詞を書いたという、伝説の主題歌"フラッシュダンス ホワット・ア・フィーリング"は、第56回アカデミー賞の主題歌賞を始め、メジャーな映画賞をほぼ制覇。アレックスがフィットネスする時に流れるマイケル・センベロ作曲の"マニアック"も、同じくオスカー候補に。
『フラッシュダンス ホワット・ア・フィーリング』MV
他にも、アレックスと恋人のニックがデートする場面を盛り上げるジョー・エスポジトの"レディ、レディ、レディ"、アレックスのダンサー仲間ティナ(演じるのはプロのダンサーでもあるシンシア・ローズ)がクラブで踊る時のBGM"マンハント"等を含め、使用されたのは全10曲。それらすべてを収めたサウンドトラックは映画公開後2週間で、全米で70万枚、最終的に600万枚の驚異的セールスを記録。翌年のグラミー賞でベスト映画&TVアルバム賞に輝いている。