『デッドプール2』あらすじ
最愛の恋人ヴァネッサとの幸せな生活を取り戻し、お気楽さも絶好調のデッドプール。そんな彼の日常を脅かす強敵が現れた。未来から来たという“マシーン人間”ケーブルだ。ミュータントの孤児院で暮らす、強力なパワーを秘めた少年ラッセルを狙うケーブル。愛するヴァネッサのために“いいヤツ”になることに決めたデップーは、少年を守ることに!しかし、一人ではとても敵いそうもないと考えた彼は、特殊能力を持つメンバーを集めて、最強鬼やばチーム“Xフォース”を結成する!しかしケーブルとの戦いは、予想もしない方向へ急展開。究極の決断を迫られるデッドプール。さぁ、どうする、俺ちゃん!?
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「ここで1曲」と指示を出し、アクションが始まる
アクションヒーローとして、あらゆる点で型破りなデッドプールの魅力は、この続編『デッドプール2』でも炸裂している。アクションのスケール感など製作費アップによる変化もあるが、相変わらずナンセンスなギャグが詰め込まれているのはファンにはうれしい限り。より多くの世代にアピールしようとして、生ぬるくなってしまう続編の罠には陥っていない。
『デッドプール2』で、前作より明らかに過剰になっているのは、「第四の壁」の破壊である。スクリーン内の世界(映画)と、それを観ている観客の世界(現実)を乗り越え、映画と現実の境界線をなくす試みは、前作でもデッドプールが観客に話しかけてくるなど顕著にみられたが、今回は壁を破るセリフや演出がさらに加速。パトリック・スチュワートやライアン・レイノルズといった現実世界の俳優名が登場し、メタフィクションの様相を呈していく。さらに強調されているのが、デッドプールが映画監督のごとく、やたら演出の指示を出しまくる点だ。
『デッドプール2』(C)2018Twentieth Century Fox Film Corporation
「さぁ、ここで1曲」とデッドプールが言えば、音楽が流れ始め、その曲に乗ってド派手なアクションシーンが展開されるというわけ。音楽とともに踊り出すミュージカルかと錯覚させるほどだ。よくよく考えれば、ありえないバトルアクションと、突然歌って踊り出すミュージカルの「非日常感」は共通している。それを意識してか、無意識の引用なのか、この『デッドプール2』は重要パートでミュージカル作品が使われているのだ。
公開前のプロモーション映像で、デッドプールが「続編はミュージカルだ!」とふざけて話していた。ローガンをライバル視し、それを演じたヒュー・ジャックマンが『 グレイテスト・ショーマン』を成功させた「あてつけ」の意図だったが、ミュージカルへの挑戦は、100%嘘というわけではなさそう。