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【ネタバレ無し!】『レディ・プレイヤー1』71歳のスピルバーグが牽引してきた世界最先端のバーチャル・プロダクション
2018.04.20
『レディ・プレイヤー1』あらすじ
どんな夢も叶えることができる究極の世界[オアシス]。[オアシス]の中では人々は自在に自分の姿を変え、自分が望むままに生きることができる。まさに発展目覚ましいVRの究極の答えが、この[オアシス]なのだ! [オアシス]を生み出した天才的な開発者ハリデーは、自らの死に際に3つの謎を[オアシス]の世界に仕掛けたことを全世界のプレイヤーに告げる。そしてハリデー自身が仕掛けた謎を全て解いた最初の人物だけがその卵を手にすることができ、[オアシス]の後継者になれるという。果たして3つの超難問をクリアし、“大いなる遺産”を手に入れるのは誰なのか?今、全人類参加型の壮大な宝探しが始まる!!
Index
- 全編の約60%を占める、CGによるVR(仮想現実)空間の描写
- 『レディ・プレイヤー1』への布石ーー『タンタンの冒険 ユニコーン号の秘密』
- さらなる実写とCGとのハイブリッドな世界へーー『BFG:ビッグ・フレンドリー・ジャイアント』
- デジタル・メイキングの革命児が、さらに世界を広げていく
全編の約60%を占める、CGによるVR(仮想現実)空間の描写
スティーブン・スピルバーグは柔軟性の高い巨匠だ。デジタルの時代にフィルム撮影での作品発表を展開させ、どこか懐古主義を匂わすかと思えば、齢71にして先端テクノロジーの領域へと躊躇せずに踏み込み、アグレッシヴな側面を見せてくれる。特に『レディ・プレイヤー1』は、ライブアクション(実写)とCGとをかけ合わせたハイブリッドな世界の創造に心血を注ぎ、自らの映画製作の可能性をさらに一歩先へと誘導している。
スピルバーグは今回、2時間20分の上映時間うち約60%を占めるVR(バーチャル・リアリティ=仮想現実)空間「オアシス」の全てのシーンをCGで描き、それらはいわゆる「バーチャル・プロダクション」というプロセスを用いて作成されている。加えて登場キャラクターたちがオアシス内にて扮するアバターは、モーションキャプチャーのパフォーマンスによって創られているのだ。
『レディ・プレイヤー1』予告
バーチャル・プロダクションとはCG映画作成のためのワークフローで、「ボリューム」と称されるモーションキャプチャーのステージを通じて演技者の動きをキャプチャーし、このプロセスにオンタイムでグラフィックを提供する技術のこと。ジェームズ・キャメロンが異世界を描いたSF大作『
アバター』(09)にてベースを確立させ、主人公を除く動物から背景まで全ての要素をCGで構築した、ディズニー古典アニメのリメイク『
ジャングル・ブック』(16)などに用いられてきている。