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  4. 『プライベート・ライアン』革命を起こし続けるスピルバーグの映画作家としての矜持
『プライベート・ライアン』革命を起こし続けるスピルバーグの映画作家としての矜持

『プライベート・ライアン』革命を起こし続けるスピルバーグの映画作家としての矜持

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映画の語り口を変えつつある「ライド・アトラクション型映画」



 スティーブン・スピルバーグ監督の『プライベート・ライアン』(98)の登場は、映画における戦闘シーンをリアルに再現するスタイルを築き、また観客の視点とスクリーン上でのアクションとを一体化させる、そんな「ライド・アトラクション型映画」の潮流をうながす端緒となった。デブリ(衛星物体)との衝突がもたらす非常事態を描いた『ゼロ・グラビティ』(13)や、大自然の中で「生」への凄まじい執着を見せる男の復讐劇『レヴェナント:蘇えりし者』(16)などに顕著なテイストである。これらは物語を能動的に読み解いていくのではなく、あたかも観客がスクリーンと接続する乗り物に腰かけ、劇中の主人公の体験を受動するかのような感覚を与える作品傾向だ。



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TM & (C) 2013 Paramount Pictures and DW Studios L.L.C. and Amblin Entertainment. All Rights Reserved.


 こうした傾向は、フィルムからデジタルへとフォーマットが移行しつつあった「世紀の変わり目」を起点に大きく目立ち始めた。CGIの進化はさまざまなカメラ映像への合成や加工を容易にし、またムービーカメラ本体のデジタル化はフィルムの限界を超え、複雑な編集に足る映像素材を提供していき、それらの要素が縒り綱のように絡まって映画の表現を膨らませていったのである。その結果『トランスフォーマー』シリーズ(07~)や『(ジェイソン・)ボーン』シリーズ(02~)など、アクションを主体とするライド型シネマの台頭に拍車をかけたといえるだろう(映画の大きな流れとしてあるこの動向は、デジタルIMAXや4DX、ScreenXといった、アトラクション要素の濃い上映方式との親和性が、なにより説得力あるものにしている)。



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