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全身全霊でフレディ・マーキュリーになりきった、ラミ・マレックのアプローチ『ボヘミアン・ラプソディ』

全身全霊でフレディ・マーキュリーになりきった、ラミ・マレックのアプローチ『ボヘミアン・ラプソディ』


役が決まる前から「前歯」を付けたラミ・マレック



 フレディ・マーキュリーの映画が作られるというニュースは、2010年くらいから出始めた。ソニー・ピクチャーズが製作で、当時、フレディを演じるとされたのは、あの『ボラット 栄光ナル国家カザフスタンのためのアメリカ文化学習』(06年)で知られた、お騒がせ俳優のサシャ・バロン・コーエンだった。クイーンのファンからはブーイングも起こったが、たしかに外見の共通点は感じられた。その後、企画は流れ、一時、「007」シリーズのQ役で知られるベン・ウィショーに託されたが、こちらも実現に至らず。ウィショーはオープンゲイの俳優なので、フレディの本質にもアプローチする期待もあったのだが……。


 やがて、プロデューサーのグラハム・キングが白羽の矢を立てたのが、ラミ・マレックである。キングに起用の理由を聞くと「ラミの前に候補に挙がっていた俳優は、彼らが勝手にそう振る舞っていただけ」と、きっぱり。ラミにフレディ役が決まったことで、スタジオもソニーから20世紀フォックスに移り、正式に映画化のゴーサインが出た。このあたりの経緯をラミ・マレックに直接、尋ねてみた。


 「プロデューサーから電話をもらって、僕をフレディ・マーキュリー役に想定していると聞かされた。その時点でまだ正式にスタジオは決まっていなかったので、もしかしたら別の俳優に役が移るかもしれないと思い、フレディにそっくりの前歯を作ってもらった。正式決定する前に、その前歯を装着して、僕の強い気持ちをアピールしたんだ」




 正式にフレディ役が決まった後、ラミ・マレックのストイックな役作りが始まる。まずフレディが書いたクイーンのすべての曲から、共通するテーマを見つけること。それは「愛」。そして「その愛を見つけるための切実な願い」だとラミは結論づける。さらにフレディに関する書物を徹底的に読みあさり、残された映像を見まくるのだが、インタビューなどの何気ない瞬間から、ラミはフレディの癖を見つけ出したという。


 「前歯がコンプレックスだったフレディは、インタビューに答える際も、上唇を前歯に被せたり、口を手で覆ったりしていた。それでも前歯の矯正に応じなかったのは、歌声に変化が出るのを恐れたからなんだ。ソファに座ってティーカップを手に取る仕草も意識した。そして何より、ステージ上では十万人もの観衆を引きつける彼が、内気で人見知りな性格でもあったわけで、そのコントラストを僕は表現しようと努めたのさ」


 この『ボヘミアン・ラプソディ』では、クイーンの演奏シーンもたっぷり描かれるが、最大の見せ場となるのが、1985年のライブ・エイドのシーンだ。約18分のステージを、ラミ・マレックを中心にクイーンを演じた4人は、当時のままに再現したのである(完成した映画では一部カットされている)。その苦心についてラミは次のように語る。




 「間違いなく、俳優人生で最大のチャレンジだった。フレディは決して曲のカウントに合わせて動かない。彼に『振付』という概念は存在せず、気持ちがそのまま表現された自由な動きを見せるんだ。そのために協力してもらったのが、ムーブメント・コーチのポリー・ベネット。フレディの日常の動作を起点に、ステージ上でどんな気分になってあの動きをしたのか。その一連の作業を脳にインプットして、肉体が自然に反応するようにイメージする。そんなポリーのトレーニング方法によって、ピアノの演奏もあるライブ・エイドを何とか再現できた」



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