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ロマン・ポランスキーが『ローズマリーの赤ちゃん』に込めた、日常の中に潜む底知れぬ恐怖とは ※注!ネタバレ含みます。

Copyright (C) 1968 Paramount Pictures Corporation and William Castle Enterprises, Inc. All Rights ReservedTM, (R) & Copyright (C) 2013 by Paramount Pictures. All Rights Reserved.

ロマン・ポランスキーが『ローズマリーの赤ちゃん』に込めた、日常の中に潜む底知れぬ恐怖とは ※注!ネタバレ含みます。

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シナトラを切って人気女優となったファロー



 そのミア・ファローは実はポランスキーのファーストチョイスではなかった。だが、彼が危惧していたファローの痩せこけた浮浪児のようなルックスが、物語の後半、急激に衰えていくローズマリーを演じる際に効果的だった。前年の1966年にファローはフランク・シナトラと結婚したばかりで(当時シナトラは50歳、ファローは21歳)、妻に女優引退を要求していたシナトラは、『ローズマリー~』を撮影中のセットに離婚届を送りつけて来る。困り果てたファローに対して、ここで再びロバート・エバンスが得意の餌をちらつかせる。撮影済みのラフカットをファローに見せて、オスカー候補は確実と断言したのだ。結果的に候補入りは逃したものの、これを機にミア・ファローはブレイクスルー。1960~70年代を代表する人気女優となった。



『ローズマリーの赤ちゃん』Copyright (C) 1968 Paramount Pictures Corporation and William Castle Enterprises, Inc. All Rights ReservedTM, (R) & Copyright (C) 2013 by Paramount Pictures. All Rights Reserved. 


 また、ポランスキーが望んでいたローズマリー役の1人に、シャロン・テートがいた。映画がニューヨークで公開された直後の1968年1月20日にポランスキーとテートは結婚する。しかし、翌1969年の夏、テートはカルト教団の指導者、チャールズ・マンソンの信奉者たちによって惨殺される。その時、彼女は妊娠8ヶ月だった。悪魔の子供を身籠もるローズマリーを介して、最終的には妊娠と母性というテーマにまで言及したポランスキーを襲った、痛々しくも皮肉な現実。彼こそが、日常にまで続く終わらない恐怖を、身体ごと体験した人間だったのかもしれない。 



文 : 清藤秀人(きよとう ひでと)

アパレル業界から映画ライターに転身。映画com、ぴあ、J.COMマガジン、Tokyo Walker、Yahoo!ニュース個人"清藤秀人のシネマジム"等に定期的にレビューを執筆。著書にファッションの知識を生かした「オードリーに学ぶおしゃれ練習帳」(近代映画社刊)等。現在、BS10 スターチャンネルの映画情報番組「映画をもっと。」で解説を担当。 



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『ローズマリーの赤ちゃん』

Blu-ray:2,381円+税/DVD:1,429円+税

発売元:NBCユニバーサル・エンターテイメント

※2019年4月の情報です。

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