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『殺しのドレス』ヒッチコックの模倣以上にデ・パルマの技巧を満喫したい

『殺しのドレス』ヒッチコックの模倣以上にデ・パルマの技巧を満喫したい

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賛否が分かれるからこそ、愛したくなるデ・パルマ映画



 1970年代、ハリウッドの中核を築き始めたフィルムメーカーたちは、横のつながりも密であり、スティーヴン・スピルバーグ、ジョージ・ルーカス、フランシス・フォード・コッポラ、マーティン・スコセッシ、ブライアン・デ・パルマらの交流は今も語り草になっている。スピルバーグ、スコセッシは現在も新作が大きな話題を集めているが、ルーカス.コッポラは残念ながら第一線の監督として活躍しているとは言い難い。その中で独自の映画作りを貫いている存在が、ブライアン・デ・パルマではないだろうか。近年は監督作品のインターバルが長く空く時期もあるが、2018年には新作『Domino』も完成させている(2019年現在未上映)。


 しかしデ・パルマの作品が、その最大な持ち味である鮮烈なまでに怪しい輝きを放っていたのは、1970〜80年代だろう。スティーヴン・キングの小説の初の映画化として成功した『キャリー』(76)のように、大多数に絶賛された作品から、オールスターを起用したのにテクニックに溺れただけと大多数に否定された『虚栄のかがり火』(90)といった極端な作品もあるが、デ・パルマのこの時期は、作品自体が、賛否、というより好き嫌いが分かれるゆえに語り継がれているものも多い。その最たる作品のひとつが『殺しのドレス』である。




 1970年代末にデ・パルマは、小説『クルージング』の脚本に取り掛かっていたが、映画化の権利を得ることができなかった。同作をウィリアム・フリードキンが監督することになったためだ。その『クルージング』でのアイデアも入れつつ、自身の少年時代、母親に父親の浮気調査を頼まれた実体験にもインスパイアされて創作したのが、『殺しのドレス』である。デ・パルマ少年は父の調査の際に録音機器を駆使していそうで、『殺しのドレス』の中で、母の殺害事件の真相を追う息子のピーターは、デ・パルマの分身となる。



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