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  4. ペルソナと分身。『複製された男』に至る創作の歴史を紐解く
ペルソナと分身。『複製された男』に至る創作の歴史を紐解く

ペルソナと分身。『複製された男』に至る創作の歴史を紐解く

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「ペルソナ」とユングの概念



 ほとんどすべての映画がそうであるように、ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の『複製された男』(2014年)も過去の創作物から影響を受けている。前回の記事では考えられる4通りの解釈を示したが、本稿ではそれを引き継いで、「ペルソナ」や「分身」を扱った映画を中心にその歴史を紐解いていこう。


 重要な作品の1つとしてイングマール・ベルイマン監督の『仮面/ペルソナ』を取り上げるが、その前に、「ペルソナ」という用語に関する予備知識を簡単に示しておきたい。


 時代は紀元前1世紀のギリシャにまでさかのぼる。当時の演劇では、大きな野外劇場でも観客が登場人物を識別できるよう、さかんに仮面が用いられた。この仮面をギリシャ語で「ペルソナ(persona)」と呼んだ。役者が舞台に出てくるたびに別のキャラクターを演じる場合は、そのつど別の仮面をかぶって登場したという(ここに多重人格との類似がみられる点も興味深い)。




 スイスの心理学者カール・グスタフ・ユングは20世紀半ば、こうした古代ギリシャ演劇における仮面の役割を踏まえ、「人間の本来的な内面に対する外的側面」を表す概念として「ペルソナ」という言葉を用いた。



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