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『ファイト・クラブ』映画史に強烈な爪痕を残した凄みとは?

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『ファイト・クラブ』映画史に強烈な爪痕を残した凄みとは?

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1999年に登場した『ファイト・クラブ』のインパクト



 思い返せば1999年は、奇抜だが中身の濃いインパクトのある傑作が多かった。『マトリックス』『シックス・センス』『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』などのメガヒット作はもちろん、『アメリカン・ビューティー』『アイズ・ワイド・シャット』『マルコヴィッチの穴』『マグノリア』などの作家性の強い作品まで、とにかく粒ぞろい。


 そんな中でも『ファイト・クラブ』のインパクトは、強烈という言葉では言い表せない。こんなにも自分の奥に入ってくる映画は、そうそうあるもんじゃないし、製作から20年を経た現在も色あせない。本稿では、そこに何が宿っていたのかを検証する。



 まずはストーリーを簡単に振り返っておこう。主人公の“僕”は都会の自動車会社に勤務する若いサラリーマン。雑誌やテレビで紹介されるようなライフスタイルに憧れて北欧製の家具を買い漁るも、理想を追い求める生活に疲れて不眠症に悩まされている。そんなある日、出張時の機内でタイラー・ダーデンと名乗る自由人と出会い、意気投合してバーで酒に酔ったあげく、殴り合う。


 そんな肉体の痛みに奇妙な爽快感を覚え、彼らを中心に同じようなモヤモヤを抱えた人々が集い、”ファイト・クラブ”という殴り合いのグループに発展。タイラーはそのカリスマ的なリーダーとなる。一方で、自由奔放で皮肉屋の女性マーラが彼らの生活に介入。“僕”は彼女を嫌っていたが、タイラーは彼女と寝る仲になり、ふたりの男の友情はぎくしゃくし始める。やがてタイラーは自家製の爆弾を武器に、仲間を率いて文明社会への攻撃をしかけようとする。テロも同然のこの計画を、“僕”は阻止しようとするが……。



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