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『セブン』のデヴィッド・フィンチャーである重要な意味『ゲーム』※注!ネタバレ含みます。

『セブン』のデヴィッド・フィンチャーである重要な意味『ゲーム』※注!ネタバレ含みます。

※本記事は物語の結末に触れているため、映画をご覧になってから読むことをお勧めします。


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あの『セブン』のデヴィッド・フィンチャーが贈る、ダークスリラー・・・



 『セブン』(1995)や『ファイトクラブ』(1999)など、常に時代 を象徴する問題作をモノにしてきた鬼才、デヴィッド・フィンチャー監督。そのダークなビジュアルセンスに魅了されるファンも多いが、決してダークなばかりが彼の作風ではない。例えば、ある主婦の失踪事件が壮大な痴話ゲンカを浮き彫りにしていく『ゴーン・ガール』を観れば、スリラーの枠内で進行するブラック コメディの要素に気付くはずだ。

 しかし、監督の意図がいつも理解されるとは限らない。フィンチャーの長編三作目『ゲーム』(1997)は、おそらくフィンチャー作品の中で最も誤解されたエンタメだ。出世作『セブン』の後に鳴り物入りで公開されたにも拘わらず、興行的に振るわず、失敗作とさえ評された問題作。しかし本作の面白さと、多くの観客を戸惑わせた理由はほとんど表裏一体。いったいフィンチャーは何を仕掛け、そして何をしでかしたというのだろうか?

 『ゲーム』を語る際に外せないのが、ラストに待ち受ける“どんでん返し”。主人公は孤独な富豪のニコラス(マイケル・ダグラス)。48歳の誕生日に、問題児の弟コンラッド(ショーン・ペン)から奇妙な誕生日プレゼントを贈られる。まったく詳細はわからないが「ゲーム」と呼ばれる催しに参加できるらしい。最初は無視するつもりだったニコラスだが、「人生を変える体験」という評判を耳にして参加登録をすると、周囲で謎の陰謀が動き出し、生命の危険にまで晒されることに……。

  『ゲーム』という作品の最大のトリックは、『セブン』の監督がスリラー調に撮っている、ということに尽きる。冒頭は8ミリフィルムのような粗い画面で、主 人公ニコラスの子供時代がコラージュされる。実はその映像は、ニコラスの幼少時代に父親が飛び降り自殺を図った時の記憶だったことがわかる仕掛けになっている。

 雰囲気重視のコラージュ映像というのは『セブン』に顕著だった技法のひとつで、フィンチャーがミュージックビデオ出身という出自を持ち出される一番の理由でもあった。しかしフィンチャーは、コラージュ映像をちゃんと映画の世界観とストーリーの中に落とし込むことでミュージックビデオ出身者を軽んじるような時代の風潮を捻じ伏せてみせた。

  そんなフィンチャーが、『セブン』に続く新作『ゲーム』でも得意の映像処理を使い、冒頭から不穏な空気を撒き散らした。多くの観客は「この映画もきっとどんよりする展開が待っているに違いない」と覚悟を決めただろう。『告白』の原作者としてもお馴染みの湊かなえ以降、日本では「イヤな気分になるミステリー」略して「イヤミス」なる言葉が生まれたが、湊かなえに勝るとも劣らずフィンチャーの名前は「イヤミス」を予感させる不吉な響きだったのだ。

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