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デヴィッド・フィンチャー『セブン』伝説のタイトルバックには別案があった!?

Seven© 1995 New Line Productions, Inc. All rights reserved. © 2010 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.

デヴィッド・フィンチャー『セブン』伝説のタイトルバックには別案があった!?

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『セブン』あらすじ

2人の刑事(ブラッド・ピット、モーガン・フリーマン)が追うのは、怜悧な頭脳を持つしたたかな連続殺人鬼。男は七つの大罪のいずれかに該当する者を狙い、おぞましい殺人を繰り返していた。苦痛と絶望が蔓延した、雨のそぼ降る陰鬱な街を舞台に展開される傑作スリラーに、グウィネス・パルトロウも共演。恐怖の本質を知り抜いたデビッド・フィンチャー(『ファイト・クラブ』、『ゾディアック』、『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』)が放つ、肉体と精神と魂のアクション。そして最後には観る者の心を食い破る、驚愕のクライマックスが待つ。


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世界に衝撃を与えた伝説のタイトルバック



 かすれて揺れる文字、露光する画面、NINE INCH NAILSのノイジーなサウンド、 『セブン』のタイトルバックの登場は衝撃的だった。このタイトルバックはその後、映画、CM、MVなど、ありとあらゆる映像作品で模倣されまくる事となる。さすがにここまで流行ると、模倣するのが恥ずかしくなり結構早くに廃れていくものだが、『セブン』は違った。公開から20年以上経った今でも全く色褪せず、多くのクリエイター達にリスペクトされ多大な影響を与え続けている。まさにエポックメイキングという言葉がふさわしい伝説のタイトルバックだ。


 文字やサウンドデザインだけではなく、映像の内容も刺激に満ち溢れている。指紋を消すために指の皮を削ぐ行為や、妄執的に記述・収集される日記や資料など、タイトル文字の背後では犯人の異常な日常が描かれる。元々は映画本編の途中で使われる予定だったこの描写を、タイトルで使うよう提案したのは、このタイトルバックをデザインした カイル・クーパーだ。あえて冒頭から犯人の「行為」を見せつけることで、どれだけ犯人が不気味で異常なのかを印象付け、不安を煽ることを狙ったという。


『セブン』タイトルバック


 また、揺れ続ける文字は不安定で捉えどころのない犯人の深層心理を表しており、単なる表層的なデザインにはとどまっていない。これも見る者に鮮烈な印象を与えた大きな要因の一つである。


 なお、カイル・クーパーはこれで一躍注目され、 ソール・バスやパブロ・フェロなど、タイトルバックの神様と言われる巨匠たちに並ぶまでの評価を得るようになった。その後は ミッション・インポッシブルのオープニングタイトルをはじめ、様々な映画のタイトルを手がけることとなり、冒頭のインパクトあるタイトルバックで観客の心を一気に「つかみ」そのまま映画の世界に引きずり込む手法で、ハリウッドのタイトルバックブームに火をつけるのである。



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