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映画界「4人目のデヴィッド」候補!?鬼才監督が独特のセンスで描く陰謀のLA『アンダー・ザ・シルバーレイク』

映画界「4人目のデヴィッド」候補!?鬼才監督が独特のセンスで描く陰謀のLA『アンダー・ザ・シルバーレイク』

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「緩やかな回遊」にこだわるデヴィッド・ロバート・ミッチェル



 「カンヌに愛される監督」と言えば、日本なら河瀨直美、そして今年の『万引き家族』のパルムドール受賞が記憶に新しい是枝裕和の名が思い浮かぶが、米国ミシガン州デトロイト出身のデヴィッド・ロバート・ミッチェルもまたその一人に加えられよう。監督デビュー作『アメリカン・スリープオーバー』(10)、2作目『イット・フォローズ』(14)がいずれもカンヌ国際映画祭の国際批評家週間でプレミア上映。2016年の国際批評家週間の審査員就任をはさみ、第3作となる『アンダー・ザ・シルバーレイク』は今年のコンペティション部門に出品を果たした。


 ミッチェルは1974年生まれ。中学の頃に脚本を書き始め、フロリダ州立大学、ミシガン州のウェイン州立大学の映画学科で学んだのち、ロサンゼルスへ移住。映画業界に入るものの、マーケティング、コマーシャル、予告編制作といった裏方を10年ほど経験し、30代も半ばを過ぎてようやくデビューに至る。『アンダー・ザ・シルバーレイク』でアンドリュー・ガーフィールドが演じる33歳のサムも映画業界人だが、仕事にありつけず家賃滞納で家主から退去を迫られるほど困窮している。ミッチェルの下積み時代の経験や思いがサムのキャラクターに投影されたことは想像に難くない。




 お泊り会(sleepover)の夜に10代の少年少女が体験するエピソードを連ねた成長物語『アメリカン・スリープオーバー』。性交によって呪いが移され、他人には見えない「それ(it)」に追われる青春ホラー『イット・フォローズ』。失踪した近隣の美女の行方を追ううち、陰謀に巻き込まれていくネオノワール・サスペンス『アンダー・ザ・シルバーレイク』。ミッチェルが脚本も兼ねた3作のジャンルは見事なまでに異なるが、共通する特徴として挙げられるのは、主人公を含む登場人物たちが住居を中心とする一定範囲のエリアをゆっくりと移動する、いわば「緩やかな回遊」とでも呼ぶべき感覚だ。もっとも徒歩や自転車だけでなく、車での移動もあれば命がけの逃走もあるのだが、不思議と速さを感じさせない。カメラワークと編集テンポによるところが大きいが、ミッチェル自身の生き方、人生哲学を反映しているようにも思える。4年に1本という製作ペースを含め、あせらず急がず、じっくりと腰を据えて取り組むミッチェルの姿勢が、作品世界にも影響を与えているのではないか。



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