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『スネーク・フライト』悪趣味!? いや、オモシロい!毒ヘビパニック映画の魅力

(c)Photofest / Getty Images

『スネーク・フライト』悪趣味!? いや、オモシロい!毒ヘビパニック映画の魅力

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撮影を盛り上げた、ネットからのファンの声



 “Snakes on a Plane”というタイトルに魅了されたのはジャクソンだけではなかった。製作発表がニュースになった時点で、多くの映画ファンが食いついてきた。わかりやすいタイトルの利点というか、そこにB級映画特有の強烈な匂いを感じとった人は少なくなかったのだ。インターネット上では気の早いファンがアニメで予告編を作ったり、グッズを作ったりと、ちょっとした“祭”状態に。


 だからこそ、製作の途中でプロダクションがタイトルを“Pacific Air 121”(=旅客便の名前)と変更すると発表したときは炎上騒ぎが起こった。製作陣にとって、タイトル変更には理由があった。ロケ地で雇ったスタッフの中には、“Snakes on a Plane”というタイトルを聞いた瞬間に、やる気をなくす者が現われだしたからだ。バカっぽいタイトルが、内部の人間の士気に悪影響を及ぼすとなれば、製作側からすれば大問題。そこでタイトルを変えることになったのだが、ネット上のファンは「タイトルを変えるな!」と声を上げる。



『スネーク・フライト』(c)Photofest / Getty Images


 プロデューサー陣はこのネット上でのバズを逆手に取ろうと考えた。ファンの非難の声をしばらく放置したのち、ジャクソンに“俺はこんなタイトルの映画に出演するつもりはない”と宣言させてから、改めてタイトルを“Snakes on a Plain”に戻す……というシナリオだ。結果的に、これはうまくいった。主演スターはファンの喝さいを浴びて、映画はさらに注目を集めることになる。


 もちろん、ネット上のファンの声を映画の製作者たちもチェックし、映画の内容にそれを反映しようと努めた。本作をR指定作品で作り上げようと決めたのは、ファンの声に後押しされたからであることを、監督のデビッド・R・エリスは認めている。ジャクソンも「ネットでの盛り上がりが撮影を後押ししてくれた」と語る。


 彼らは進んでファンの中に分け入り、タイトル変更に怒ったファンが勝手に作って売り出したTシャツを気に入って購入した。ある意味、『スネーク・フライト』は製作の当事者たちとファンが、ともに作り上げていった映画ともいえるだろう。かくして全米公開された本作は週末の興行チャートでナンバーワンの座を射止める。



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