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『シャフト』時代を超えて蘇る、受け継がれるヒーロー像!

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『シャフト』時代を超えて蘇る、受け継がれるヒーロー像!

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『シャフト』あらすじ

ニューヨーク。ある夜、市内の高級バーの前で黒人青年が殴られて意識不明の重体となる事件が発生。刑事ジョン・シャフトは、犯人ウォルター・ウェイド・Jrを逮捕するが、有名な不動産王の息子であるウォルターは逮捕されるたび父親の財力と政治力に物を言わせて保釈されるのだった。自力で正義を貫く決意をしたシャフトは、警官を辞め、復讐に燃えるウォルターやハーレムの麻薬王、昔の同僚だった汚職警官などに命を狙われながら、ただ一人孤独な戦いを挑む。


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愛されるべく登場したシャフト



 2019年、『シャフト』が再び戻ってくる。前作の2000年から19年ぶりに、日本では6月28日からNetflixにて配信予定で、アメリカでは6月14日から劇場公開されている。


 そのシャフトとは、ニューヨークのハーレムに事務所を構える私立探偵ジョン・シャフトのことである。ジョン・シャフトが一番最初に登場したのは、アーネスト・タイディマンという白人の作家・脚本家による1970年に発刊された小説『黒いジャガー』(1972年ハヤカワ・ノヴェルズ、絶版)だった。


 その小説が大手映画会社MGMによって映画化されたのが、『黒いジャガー』(71)である。新人俳優リチャード・ラウンドトゥリーが主役ジョン・シャフトに抜擢され、映画はヒットした。この頃、MGM社は経営難で倒産寸前だったが、『黒いジャガー』のヒットを機に持ちこたえた程である。このような映画がヒットしたのは理由があった。


『黒いジャガー』予告


 1968年4月4日、非暴力でアメリカ黒人の権利を獲得しようとした公民権運動の旗主マーティン・ルーサー・キング・ジュニア牧師が暗殺され、アメリカの黒人たちは絶望と喪失感に襲われた。非暴力での活動が、銃の暴力によって命を奪われたのだ。


 彼らは、「ブラックパワー」をスローガンにして、「パワー」で対抗する方向に向かっていき、全米各地で起こる暴動もその現れだった。しかし、警察や政府という権力者たちは、彼らが黒人だというだけで相変わらず黒人の前に立ちはだかる。そんな闘争が激化していた時に登場したのが、ジョン・シャフトだ。


 ジョン・シャフトは警察や黒人コミュニティを賭博や麻薬などで汚染するマフィアと戦い、黒人コミュニティを守った。そのような主人公を観客が愛さない訳などない。その結果、ジョン・シャフトは1974年までに続編2本とテレビシリーズまで作られることとなった。黒人のキャラクターでは非常に稀なことである。そして、時を経て2000年にジョン・シャフトは再び戻ってくるのだ。



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