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“LOVE”&“HATE”の意味を問い続けるスパイク・リー監督作『ドゥ・ザ・ライト・シング』

“LOVE”&“HATE”の意味を問い続けるスパイク・リー監督作『ドゥ・ザ・ライト・シング』

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オスカー・スピーチでも注目されたかつての問題作



 3月に封切られたスパイク・リー監督の問題作『ブラック・クランズマン』。アメリカに続いて、日本での興行も好調で今後も続映される。今年のアカデミー賞では作品賞や監督賞など6部門で候補となり、その結果、見事に脚色賞を受賞している。


 受賞の時、感激したリーは壇上にいるプレゼンターの男優、サミュエル・ジャクソンの方に駆け寄り、ぴょんと飛び上がって抱きついた。ふたりは30年以上も交流のある友人同士。オスカー受賞を心から喜びあうその姿がとても微笑ましいものに思えた。


 リーの受賞スピーチも印象的で、アフリカ系アメリカ人の彼は先祖がたどった苦難の歴史について語り、「今は愛と憎しみが戦っている時代です。そんな中で行われる次の大統領選ではみなさん、”正しい選択をしましょう“(ドゥ・ザ・ライト・シング)」と自作をもじって場内に呼びかけ、拍手喝さいを浴びていた(これに関してはトランプ大統領が反論をツィッターで発表するという一幕もあった)。



 スピーチにも登場した映画『ドゥ・ザ・ライト・シング』。リーの89年の監督作で、人種問の対立や差別意識をアフリカ系アメリカ人の視点で見つめ、今回の新作の原点ともなった問題作だ。公開当時、(特にアメリカでは)多くの議論を呼んだ。そして、同年のアカデミー賞でリーは初のオスカー候補(オリジナル脚本賞)となっている。


 この作品にはラジオ・ラヒームという忘れがたい人物が出てくる。右手にLOVE、左手にHATEと書かれたゴールドの大きなリングをつけていたが、それを意識して、今年のオスカーには指にLOVEとHATEのリングをつけて登場したリー。この作品は今もスパイクにとって意義深い1本なのだろう。


 この映画で彼はアフリカ系アメリカ人の監督として、映画史の新しいドアを開け、黒人映画の先駆的な監督のひとりとなり、多くの後輩たちに影響を与えてきた。


 日本での公開は90年。ミニシアターで公開されて、興行的にも成功した。当時の彼は『ストレンジャー・ザン・パラダイス』(84)のジム・ジャームッシュ監督などと並び、ニューヨークのインディペンデント映画界の新しい才能として注目されていた(86年に映画祭参加のため、来日も果たしている)。そして、日本でもより多くの人に認められるきっかけとなった作品が『ドゥ・ザ・ライト・シング』だった。



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