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『ビッグ・シック ぼくたちの大いなる目ざめ』オスカーノミネートを果たした夫婦脚本家の執筆術

『ビッグ・シック ぼくたちの大いなる目ざめ』オスカーノミネートを果たした夫婦脚本家の執筆術

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すべてのきっかけはジャド・アパトーとの出会いから



 そもそも、この映画化の企画はクメイル&エミリーから発案されたものではない。彼ら自身、こんな体験談が映画化されるなんて思いもしなかった、という。


 すべてのきっかけは’12年、お笑い芸人のポッドキャスト番組でのクメイルとジャド・アパトーの共演だった。意気投合した彼らは、その後、また別の機会にミーティングし、クメイルはその場で自身の体験談を披露する。シカゴの舞台でスタンダップ・コメディを披露していたこと。そこでヤジを飛ばした白人女性と意気投合したこと。パキスタン出身の自分には、家族、宗教、文化、伝統などの様々なジレンマが存在したこと。やがて彼女が昏睡状態に陥ったこと・・・・・・。ありそうもない、でも自らが体験したまぎれもない事実を、ありのままに語ったのだ。




 アパトーはその物語に心を動かされ、ぜひ脚本にするべきだと提案。この一言がクメイルの情熱に火を点け、妻エミリーと共に脚本化までの長い道のりを歩み始めることとなる。


 とはいえ、彼らにとっては初となる脚本執筆。伝えるべき実話が手中にあったとしても、それをどう脚本化すべきかは皆目わからない。ここで重要となるのがジャド・アパトーの存在である。『40歳の童貞男』や『無ケーカクの命中男/ノックトアップ』のヒットメイカーが指導することで、彼らは徐々に書き方を学び、感動を伝える術を習得していくのだ。アパトーがいなければアカデミー賞にノミネートされることも、いやそれ以前に脚本執筆を決意することもなかっただろう。



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