19年には正当なる続編がリリース
ちなみに『バックドラフト』は90年代に続編の噂が囁かれながら、ロン・ハワード監督が続編嫌いを公言していたこともあり、実現しなかった。しかし誰もがすっかり忘れた頃の2019年に、別の監督の手によってまさかの続編が完成。アメリカではDVDやデジタル配信のみでのリリースとなったものの、筆者が恐る恐る観てみると、それほど悪くないシロモノだった。
『バックドラフト』(c)Photofest / Getty Images
今回の主人公は、スティーブン(カート・ラッセル)の息子。前作ではまだ幼い子供だったが今ではすっかり大人になって、かつてのボールドウィンと同じく火災調査の仕事を担い、連続放火事件の犯人を追っているという筋書きだ。
スタンドプレーの多い主人公を諌める立場として、伯父役のボールドウィンも登場する。そして、捜査に行き詰まった主人公が足を運ぶのは、前作同様、刑務所の中。80歳を超えたドナルド・サザーランドがさすがの存在感でバーテル役を怪演している。
『バックドラフト2/ファイア・チェイサー』予告
前作のような大作感を削ぎ落とした内容ではあるが、これはこれで掘り下げ甲斐のある鉱脈のようにも思える。未見の方はぜひチェックして真価のほどを見定めてみてはいかがだろうか。
参考資料:
『バックドラフト』ブルーレイ特典映像
https://web.archive.org/web/20121021192458/http://www.ew.com/ew/article/0,,314592,00.html
1977年、長崎出身。3歳の頃、父親と『スーパーマンII』を観たのをきっかけに映画の魅力に取り憑かれる。明治大学を卒業後、映画放送専門チャンネル勤務を経て、映画ライターへ転身。現在、映画.com、EYESCREAM、リアルサウンド映画部などで執筆する他、マスコミ用プレスや劇場用プログラムへの寄稿も行っている。
(c)Photofest / Getty Images