アクション映画の革命作『ダイ・ハード』とゴジラとの意外な関係

PAGES

2018.07.05尾崎一男

『ダイ・ハード』あらすじ

クリスマス・イブの夜、LAのハイテクビルを最新兵器で武装した謎のテロリスト集団が襲った！　彼らの要求を拒んだ重役達は即座に射殺。なすすべも無く怯える人質たち。ビルの中にいた非番警官ジョン・マクレーンは外部との連絡が一切遮断された中、ただ一人命をかけた闘いを挑んだ！

Index

アクション映画が成し遂げた史上初の快挙

　高層オフィスビルを占拠した武装テロに、刑事が孤独の戦いを挑む1988年製作の『ダイ・ハード』。同作はアクション映画のジャンルに衝撃と新風をもたらし、全世界興行成績1億4,000万ドルの大ヒットを記録した。日本では全米公開から7ヶ月後の1989年2月にロードショー公開され、海外からの評判と、試写で本作を観た評論家の好評が後押しとなって、当時ビッグスターの出ていない作品でありながらも良好なヒットに恵まれている。

　なにより『ダイ・ハード』は映画ファンのみならず、評論家の強い支持を集めたところに最大のポイントがある。たとえば国内の映画賞の中でも長い歴史と権威を持つ「キネマ旬報ベスト10」で、本作は評論家選出の外国語映画ベスト1（1989年度・第63回）に選ばれている。1924年度を起点とし、2014年度までに88回もの選出を経てきた同部門において、アクション映画が第1位に輝いたのは後にも先にも『ダイ・ハード』だけだったのだ（これは第89回で『マッドマックス　怒りのデス・ロード』（15）が1位に選出されるまで、破られることのなかった偉業である）。

全米公開と同時に日本で披露されたクライマックスシーン