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『ジュラシック・ワールド/炎の王国』恐竜たちを呑み込んだ、監督J・A・バヨナの世界 ※注!ネタバレ含みます。

『ジュラシック・ワールド/炎の王国』恐竜たちを呑み込んだ、監督J・A・バヨナの世界 ※注!ネタバレ含みます。

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『インポッシブル』や『怪物はささやく』を彷彿とさせる場面も



 今回は崩壊寸前のジュラシック・ワールドが前半の舞台となる。いたるところから噴煙と岩石が飛び出し、流れ出た溶岩が全てを容赦なく飲みこんでいくその光景は、まさしく王国の終焉。これまでのような経営再建や技術革新などではどうにもならないレベルの幕引きであることは一目瞭然だ。


 と、これらの唖然とするような光景を目にしていると、バヨナが第二作目で撮った『 インポッシブル』(12)のことが濃厚に思い出されてやまない。スマトラ沖地震による津波被害を題材に、被災してバラバラになった一家が決して希望を失わず、家族の再会を夢見て一歩、また一歩、踏み出していく物語。「不可能」な状況を強い意志の力で「可能」へと変えていく圧倒的なパワーを持ったこの作品は、バヨナの名を世界的に有名にしたと言っても過言ではない。現に『ジュラシック』製作陣が彼の手腕に興味を持ってアプローチを始めたのもこの作品がきっかけだったと言われている。



 また、『ジュラシック』とバヨナの第三作目『 怪物はささやく』(16)には、CGで描かれた巨大な怪物が登場する点で大きな共通項がある。聞くところによると、バヨナは幼い頃から「巨大な化け物がやってきて窓からぎょろりと中を覗き込む」というイメージに恐怖を感じて生きてきたのだとか。



 ただし、大人になった今では恐怖をむしろ強みに変え、そのイメージを積極的に映画の中で描写。『怪物』にも今回の『ジュラシック』にも、同様の「覗き込む」くだりはさも当然のように顔を見せる。この共通性や連続性から考えると、名作『怪物はささやく』にあれほどチャレンジングな描写がふんだんに取り入れられていたのは、いつしか自分が『ジュラシック・ワールド』シリーズを手がけるであろうことをその時点ですでに見越していたからではないか、とさえ思えてくる。


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