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『タリーと私の秘密の時間』『JUNO ジュノ』のオスカー脚本家が女性映画をアップデート※注!ネタバレ含みます。

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人生のステージと女性の「変身」



 マーロの夢にたびたび、青い水中を泳ぐ人魚が現れる。変身する存在の象徴として人魚を登場させた、とコーディは語っている。


 ジェンダー論的な観点でコーディ&ライトマンの3作品をとらえると、3人のヒロインはそれぞれ、ミドルティーンの女の子ならこうあるべき、アラフォー女性なら、3児の母ならこうあるべきといった社会通念としての「人生の各ステージにおける女性のあるべき姿」と、現実とのギャップに悩み苦しむ存在だ。そこには必然的に、「別の自分」「理想の自分」になりたいという願望が生まれる。映画の話に限らず、人生の諸ステージにおいて「女性はこうあるべき」というプレッシャーにさらされて生きている人なら、別の自分になりたいという変身願望を心の奥に抱えていても不思議ではない。




 平等主義と多様性尊重の先進国であるはずのアメリカでさえ、男性に都合よく作られた社会の通念に女性が苦しんでいることを、コーディはトリッキーな仕掛けも用いながら穏やかに訴える。常識にとらわれないキャリアを歩んできた、彼女ならではの指摘だろう。『タリーと私の秘密の時間』は、女性賛歌であると同時に、夫として、父親としてのあり方を見つめ直すよう男性を啓発する映画でもある。




文:高森郁哉(たかもり いくや)

フリーランスのライター、英日翻訳者。主にウェブ媒体で映画評やコラムの寄稿、ニュース記事の翻訳を行う。訳書に『「スター・ウォーズ」を科学する―徹底検証! フォースの正体から銀河間旅行まで』(マーク・ブレイク&ジョン・チェイス著、化学同人刊)ほか。



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『タリ―と私の秘密の時間』

大ヒット上映中

© 2017 TULLY PRODUCTIONS.LLC.ALL RIGHTS RESERVED.


※2018年8月記事掲載時の情報です。

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