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『SUNNY 強い気持ち・強い愛』オリジナル徹底比較・時代背景篇――「1990年代半ばのティーンたち」を描く理由

『SUNNY 強い気持ち・強い愛』オリジナル徹底比較・時代背景篇――「1990年代半ばのティーンたち」を描く理由


『SUNNY 強い気持ち・強い愛』が描くコギャル時代というエポック



 つまり『サニー 永遠の仲間たち』の回想パートは、韓国社会のエポックとなった時代――1980年代半ば(1987年の直前あたり)を、多感なティーン女子にとっての「キラキラした時代」として選択しているわけだ。では一方、日本版『SUNNY 強い気持ち・強い愛』の時代設定はどこか。それは1990年代半ばである。


 社会文化論の分野で、現代につながる日本社会の転換点としてよく語られるのが「1995年」だ。1月には阪神・淡路大震災、3月にはオウム真理教のサリン事件があり、Windows 95の発売などIT化の波も本格的に始まった時代。同時にバブルが弾けてまだ数年後であり、「失われた20年」と呼ばれる日本経済の長い低迷の初期段階でもあった。


 『SUNNY 強い気持ち・強い愛』の主人公の奈美(女子高生時代は広瀬すず)は淡路島の出身で、阪神淡路大震災により被災して、東京近郊に転校してきた設定。そして当時の女子高生は、ご存じのとおり、コギャルの全盛期である。




 当時の渋谷に集っていた女子高生たちに併走し、コギャル文化を牽引したファッション雑誌『egg』の創刊がちょうど1995年。ポストバブルの不安定な日本社会の中、茶髪にガングロでルーズソックスを履き、お気に入りの国内ブランドのショッパーを持って、たくましく街を闊歩するコギャルたち。彼女たちの存在は、今回の映画においていったい何を象徴するものか?


 つまり韓国の1980年代に起こったアメリカナイズに対し、日本の1990年代はスーパードメスティック。ガラパゴス化の先鋭期だ。ファッションもメジャーどころではルーズソックス、サブカル方面では裏原系など日本独自のアイテムの文化的地位が上がってきて、音楽も洋楽コンプレックスが消えていく。メジャーでは小室哲哉がクラブカルチャー経由の音やリズムを歌謡フィールドに持ち込み、オルタナティヴなシーンでは「渋谷系」と呼ばれるコアな情報性に裏打ちされた洗練度の高いサウンドを出すミュージシャン群が人気を博す。その中から元フリッパーズ・ギターの小沢健二が紅白歌合戦にまで出場するなど、Jポップも百花繚乱。その勢いに連動して音楽ソフト(CD)がいちばん売れた時代でもあった。




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