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『SUNNY 強い気持ち・強い愛』オリジナル徹底比較・楽曲篇――1990年代「普通のヒット曲」たちの豊かさを再発見する

(C)2018「SUNNY」製作委員会

『SUNNY 強い気持ち・強い愛』オリジナル徹底比較・楽曲篇――1990年代「普通のヒット曲」たちの豊かさを再発見する

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オリジナル版楽曲との対比



 おそらくそれは「タイム・アフター・タイム」だと考えていいだろう。もともとはシンディ・ローパーの1983年の名曲(デビューアルバム『シーズ・ソー・アンユージュアル』収録)で、翌84年にシングルカットされて大ヒット。映画のオープニングとエンディングで使われているのは、アメリカのジャズ系デュオ、タック&パティによるカバー曲だ。アルバム『ティアーズ・オブ・ジョイ』(1988年)に収録。

「タイム・アフター・タイム」MV

 またシンディ・ローパーの曲は、文学少女のクムオクが高校の校内放送で好きな曲を流すシーンでも使われている。それが彼女の初メジャーシングル曲であり、大ブレイクのきっかけとなった「ガールズ・ジャスト・ワナ・ハヴ・ファン」(旧邦題「ハイスクールはダンステリア」)。やはりデビューアルバム『シーズ・ソー・アンユージュアル』に収録されている1983年のヒット曲。
逆に『SUNNY 強い気持ち・強い愛』において校内放送で流れる曲は、カリスマシンガーのYUKIが所属していたバンド、ジュディマリことJUDY AND MARYの「そばかす」(1996年2月19日発売/作詞:YUKI、作曲:恩田快人)だ。この映画のセットリストの約半分を占める“TKチューン以外”の一曲。テレビアニメ『るろうに剣心-明治剣客浪漫譚-』(フジテレビ系)のオープニング曲として親しんだ人も多いだろう。

 再び安室ちゃんの曲の話に戻すと、大人の奈美が「Don’t wanna cry」を口ずさみながら昔を想い出し、女子高生の制服に着替えているところを、自宅に帰ってきた娘に見られてしまうという爆笑の一幕。これは『サニー 永遠の仲間たち』にも同様の元ネタとなるシーンがあるのだが、そちらは韓国の歌手、チョ・ドクペの1986年のヒット曲「夢に」が使われている。

『SUNNY 強い気持ち・強い愛』全曲メドレーPV

 また「SWEET 19 BLUES」は、大人の奈美が初恋の相手だったイケメンDJの渉に会いに行くところ――同時に過去の失恋が示される切なさ満点のシーンでも流れるのだが、『サニー 永遠の仲間たち』でこれに当たるのは、リチャード・サンダーソン「愛のファンタジー」(1980年)ってことになる。原題は“Reality”。この曲はソフィー・マルソー主演のフランス映画『ラ・ブーム』(1980年)の主題歌なのだが、当時日本や韓国を含むアジア各地で大ヒットしたのだ。また「愛のファンタジー」は、イケメンがヘッドフォンをナミにかけるときの曲として、『SUNNY 強い気持ち・強い愛』ではCharaの「やさしい気持ち」(1997年4月23日発売/作詞:作曲:Chara)にも変換されている。

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