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『ゴッドファーザー』大傑作への道程で、積み重なった偶然とは?

Copyright (C) 1974 by Paramount Pictures and The Coppola Company. All Rights Reserved. Restoration Copyright (C) 2007 by Paramount Pictures Corporation. All Rights Reserved.TM, (R) & Copyright (C) 2014 by Paramount Pictures. All Rights Reserved.

『ゴッドファーザー』大傑作への道程で、積み重なった偶然とは?

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原作者プーヅォの功績を過小評価するなかれ!



 しかしプーヅォは、確かに小説家としても傑作を書いていた。ハリウッドの堕落した裏側を暴露するゴシップ記事まがいの章や、大きすぎる性器を持った女性をめぐるポルノめいた章を脇に置けば(どちらも映画では完全に削除されている)、映画『ゴッドファーザー』は驚くほどに原作に忠実なのである。


 例えば映画『ゴッドファーザー』が世間を驚かせたのは、冒頭の27分間にわたってドン・コルレオーネの娘コニーの結婚式が延々と描かれること。豪邸の庭では豪勢で陽気なパーティーが開かれて、邸宅の中ではドン・コルレオーネとその信奉者たちの陰謀が進行している。同時にパーティーの様子を通して、ドンの息子ソニー、フレドー、マイケルをはじめとする主要人物の性格や関係性が浮かび上がってくるのだ。



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 この構成を、黒澤明監督の『悪い奴ほどよく眠る』からの影響であるとする説がある。実際に盛大な結婚式を使って世界観や登場人物を紹介するという点で共通しているし、コッポラは熱心な黒澤ファンでもある。影響はない、と言い切るのは乱暴だろう。ただし、そもそもプーヅォの原作が、序盤に結婚式のシーンを持ってくることでコルレオーネ・ファミリーのイントロダクションの役割を担わせているのだ。


 プーヅォはコッポラの監督就任よりも前に、映画化のための脚本化を依頼されており、脚本の大部分が原作に忠実であることは当然とも言える。しかし、冒頭に長い結婚式のシーンを持ってくるアイデアや、非常に映画的とされる終盤のクライマックス、ファミリーを継いだマイケルによる復讐と粛清とが次々とモンタージュされていく流れなど、映画の核になっている要素の多くが原作を踏襲していることは、改めて指摘しておきたい。映画『ゴッドファーザー』の型破りな構成も、映画的なダイナミズムに満ちたクライマックスも、決してコッポラだけの手柄でない。たまたまプーヅォが、型破りでありながら映画に適した構造を持った小説を書いていたのである。その点、映画版の脚本は脚色というよりも抜粋に近い。


 この稿で、監督/共同脚本のコッポラが過大評価されていると言いたいわけではない。むしろ『ゴッドファーザー』はコッポラがいかに偉大な映画監督かを証明する素晴らしいシーンの宝庫だ。ただ、映画全体の構成、物語、数々の名セリフを語る際に、原作者であるプーヅォの功績を過小評価してはならない。



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