製作に関わった人々の心に残る先生と学園生活
キーティングみたいな先生に出会ったことがある。出会いたかった。または、同じような学園生活を送ったことがある。そう感じたのは観客だけではなかった。実際に製作に関わった何人かも、同じ思いに突き動かされ、不朽の学園ドラマが紡がれていったのだ。
『いまを生きる』© Photofest / Getty Images
キーティングを演じたロビン・ウィリアムズは、自らが高校生活を送った北サンフランシスコにあるレッドウッド・ハイスクール時代に、こんな教師がいて欲しかったという強い思いを込めて、キーティングという人物像に心血を注ぎ込んだという。叶わなかった恩師との出会いを、演技によって実現したのだ。また、監督のピーター・ウィアーは、彼自身が通ったシドニーの男子寄宿学校、ザ・スコッツ・カレッジの思い出を基に、制服や授業内容を映画で再現した。後に映画が舞台化された時、初演会場に選ばれたのはまさにザ・スコッツ・カレッジで、初日にゲストとして招かれたウィアーは、映画の製作過程についてスピーチしている。